アメリカンオークとタスマニアオークの違いとは?住宅用木材の選び方を比較

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最近、家具を見ててふと思ったんだけど、オーク材って一括りに言われるけど、全然違うものがたくさんあるんだよね。特に、家を建てたり、ちょっといい家具を探したりすると必ず出てくるのが、「アメリカンオーク」と「タスマニアンオーク」。この二つ、名前は似てるけど、実は性格が全然違う。どっちがいいとか悪いとかじゃなくて、どっちが自分の「好き」に合うかって話なんだと思う。

重点一句話

どっしりした伝統的な感じが好きならアメリカンオーク、すっきり明るいモダンな空間が好きならタスマニアンオーク。だいたいそんな感じ。

そもそも、この二つって何がどう違うの?

まず、ここからだよね。名前が似てるから親戚みたいに思うけど、植物としてのルーツが全然違う。これ、結構大事なポイント。

アメリカンオークは、その名の通り北米が故郷。ブナ科コナラ属の木。ワイン樽とかウイスキー樽に使われるって聞くと、あー、あの感じねって思う人もいるかも。ホワイトオークとレッドオークっていうのが有名で、すごく頑丈で、木目がはっきりしてるのが特徴。なんていうか…「これぞ木!」みたいな主張がある。

一方で、タスマニアンオーク。こっちはオーストラリアのタスマニア島あたりで育つ。面白いことに、これ、実はオーク(コナラ属)じゃないんだよね。ユーカリの仲間。現地の人が「見た目がオークに似てるね」ってことでそう呼び始めたらしい。だから、性格も全然違って、色は明るくて均一、木目も繊細で、すーっと通ってる感じ。すごく上品。

木目の違い、一目瞭然。左がアメリカン、右がタスマニアン。
木目の違い、一目瞭然。左がアメリカン、右がタスマニアン。

どっちがいいの? 用途と雰囲気で比べてみた

じゃあ、具体的にどんな違いがあるのか。スペックだけじゃなくて、使った時の「感じ」も含めて表にしてみた。こういうの、結構大事だよね。

比較ポイント アメリカンオーク タスマニアンオーク
醸し出す雰囲気 重厚、クラシック、カントリー調。信頼感がある感じ。書斎とか、ヴィンテージっぽい家具に合う。 軽やか、モダン、ミニマル。Mujiとか北欧スタイルが好きならこっち。部屋が広く、明るく見える。
木目の表情 はっきりしてて、ちょっとワイルド。「虎斑(とらふ)」っていう虎の模様みたいなのが出たりして、個性的。 繊細で、まっすぐ。すっきりしてる。主張が強くないから、どんなデザインにも馴染みやすいかな。
色のトーン ホワイトオークは黄みがかった明るい茶色。レッドオークは少し赤みがある。全体的に暖色系。 クリーム色から薄いピンクがかった茶色まで。全体的に色が均一で、明るい印象。
硬さと丈夫さ かなり硬くて丈夫。土足で歩くようなカフェの床とかでも使われるぐらい。傷はつきにくい。 これも十分硬いけど、アメリカンオークほどじゃない。でも、普通に家具やフローリングで使う分には全く問題ないレベル。
得意な場所 フローリング、ダイニングテーブル、あと水に強いホワイトオークはキッチンカウンターとか。屋外のデッキにも。 内装全般。特にフローリング、ドア、棚、家具。見た目がきれいだから、人目に付く場所に使いたい感じ。
経年変化の楽しみ 色がだんだん濃くなって、飴色に。ツヤも増してきて、重厚感が増す。「育てる」楽しみがあるかも。 全体的に少し黄色っぽく変化していく感じ。大きな色の変化はないけど、角が取れて、より空間に馴染んでいく。

タスマニアンオークの空間は、なぜか広く感じる

これ、面白いんだけど、タスマニアンオークを床とか壁に使うと、部屋が広く、明るく感じるんだよね。たぶん、色が明るくて均一なのと、光を柔らかく反射するからだと思う。

日本の住宅って、正直そこまで広くないことが多いじゃない? だから、この「広く見せる効果」は結構重要。ミニマリストなデザインとか、すっきりした暮らしを目指すなら、タスマニアンオークはすごく良い選択肢になると思う。

逆にアメリカンオークは、その存在感が魅力。どっしりしたダイニングテーブルとか、書斎のデスクとか、空間の「主役」になる家具に使うと、すごく映える。部屋全体が引き締まるというか、格が上がる感じがする。全部アメリカンオークにすると、ちょっと重く感じるかもしれないけど… ポイントで使うと最高にかっこいい。

タスマニアンオークを使った明るいリビング。すっきりした印象になる。
タスマニアンオークを使った明るいリビング。すっきりした印象になる。

気になるコストと、環境の話

こういう素材を選ぶとき、値段と、あと最近はサステナビリティも気になるよね。

コストに関しては、一概にどっちが高いとは言えないのが正直なところ。アメリカンオークは世界的に流通量が多いから、モノ自体は手に入りやすい。でも、日本に持ってくるまでの輸送費とかで、結局はそれなりの値段になる。タスマニアンオークも、オーストラリアからの輸入だから、もちろん安くはない。時期とか、グレードとか、どこから買うかで値段は結構変わるから、これはもう、工務店とか家具屋さんに都度見積もってもらうしかないかな…。感覚的には、ちゃんとしたものを選ぼうとすると、どっちも「ちょっといいお値段」になることが多い。

あと、環境への配慮。これは結構大事な視点。アメリカンオークもタスマニアンオークも、ちゃんと管理された森林から伐採されていることが多い。特に、FSC (森林管理協議会) みたいな国際的な認証を受けている木材を選ぶのが一つの基準になる。これは「この木は、環境や社会に配慮した森から来てますよ」っていう証明書みたいなもの。

日本だと、独自の「SGEC」っていう認証もあるけど、輸入材に関してはやっぱりFSCが分かりやすいかな。まあ、正直なところ、一番環境負荷が大きいのは輸送の部分かもしれない。アメリカから来るか、オーストラリアから来るか…。でも、ちゃんと認証された木材を選ぶっていうのは、消費者としてできる、大事な一歩だと思う。

アメリカンオークの重厚な書斎デスク。時間が経つほど味が出そう。
アメリカンオークの重厚な書斎デスク。時間が経つほど味が出そう。

じゃあ、結局どうやって選ぶ?

ここまで色々話してきたけど、最終的に選ぶ決め手は、やっぱり「どんな空間で暮らしたいか」に尽きると思う。

例えば、こんな風に考えてみるのはどうだろう。

  • 「10年後、20年後も愛せる、どっしりした本物の家具が欲しい」
    → それなら、アメリカンオーク。時間が経つほどに色つやが深まって、傷さえも「味」になる。まさに一生モノ。
  • 「部屋をすっきり見せたい。明るくて、開放的な空間が好き」
    → それなら、タスマニアンオーク。その明るい色と繊細な木目は、空間を邪魔せず、むしろ引き立ててくれる。
  • 「子供がいて、床やテーブルの傷が気になる…」
    → 丈夫さで言えば、アメリカンオークに軍配が上がるかな。特にホワイトオークは硬いから、安心感がある。
  • 「自分で塗装したり、DIYで色々いじりたい」
    → どっちも加工しやすいけど、タスマニアンオークは表面が滑らかだから、塗装のノリがすごくきれい。ペイントして色を変えたい、とか考えてるなら面白いかも。

結局のところ、完璧な木材なんてなくて、それぞれの良さがある。カタログのスペックだけじゃなくて、できれば実際にショールームとかで触ってみて、その「空気感」を感じてみるのが一番いい。自分の直感を信じるのが、後悔しない選び方なのかもしれないね。

あなたの好みはどっち?

もしあなたが、自分の家のためにダイニングテーブルを一つ作るとしたら、アメリカンオークとタスマニアンオーク、どっちの木材を選びますか? その理由も一緒に、ぜひ下のコメントで教えてください!

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