すべては、ハンマーが必要になったことから始まった
なんでハンマーが必要だったかって?うーん、それはもうどうでもいい。人生には、ただ何かを叩きたくなる瞬間があるってだけ。で、そのハンマーはキッチンのシンク下にあったんだ。
正直、そのハンマーはすごく気に入ってる。前に修理に来た業者の人が忘れていったものなんだけど、私が今まで持ってたどんなハンマーよりずっといいやつで…。たぶんその人も「あの最高のハンマー、どこにやったかなぁ」って今でも思ってるんじゃないかな。まぁ、それはともかく。
シンク下に手を伸ばして、ハンマーを掴んだ。…ん?濡れてる。
ハンマーが濡れてるなんておかしいでしょ。濡れたハンマーが必要な状況なんて、想像もつかない。
私のハンマーは、他のごちゃごちゃした道具と一緒にシンク下のバケツに入ってた。そう、バケツ。このバケツの存在に、心の底から感謝した。屈んで中を覗き込んだら、なんか変な色の水が5センチくらい溜まってたから。いつからそこにあったんだろう。数ヶ月?数年…?考えたくもない。
うちの怪しい配管の下に、いつもバケツを置いておくほど賢かったわけじゃない。これはもう、ただの偶然。でも、この日から私の人生の教訓になった。
シンクの下には、常にバケツを置くこと。
一番安い懐中電灯(だって高いの買うのもったいないし)で配管をたどっていくと、シンクの裏側で原因がわかった。まぁ、20年くらい経ったパッキンが、ひび割れてボロボロになってた。そりゃ水も漏れるよね…。大した量じゃない。バケツがあればなんとかなるレベル。
でも、ここで考えちゃったんだよ。「もしかして、この横のパイプが詰まってるだけかも。ここを掃除すれば、漏れも止まるんじゃ?」って。これが、すべての間違いの始まり。
【結論】簡単な修理のはずが、大惨事に
で、何が起こったかというと…TV通販で買った安物のプラスチック製パイプクリーナーを排水口に突っ込んだら、引き抜くときに排水口の金具ごと全部引っこ抜けちゃったわけ。シンクの底に、ぽっかりと大穴が空いた。穴の向こうには、さっきまで水を受け止めてくれてたバケツが見える。…終わった。😅
そりゃそうだよな、20年ものの配管パテが、真上に引っ張られる力に耐えられるわけない。
もちろん、こういう最悪なことって、決まって週末に起こるんだよね。宇宙の法則かなにか?
もう片方のシンクはまだ使えたけど、気になって仕方ない。私の性格上、この穴の空いたシンクを放置して日常生活を送るなんて、絶対に無理だった。
どうやって直したか、その舞台裏
こうなったら、やるしかない。神のお告げ(というかGoogle)に従って、「キッチン 排水口 部品」とか「ロックナット」とか、生まれて初めて聞くような言葉を検索しまくった。それからYouTubeで配管パテの使い方動画を見た。正直、粘土みたいなもので水が止まるなんて、まったく信じられなかったけどね。
DIYプロジェクトを成功させる鍵って、たぶん (a) 好奇心、(b) 自分を信じること、そして (c) 絶望感、だと思う。
髪も一週間くらい洗ってなくて、牛の乳搾りでもするのかって格好で、近所のホームセンター(日本のカインズみたいなところ)へ向かった。店員の兄ちゃんが「5時半までやってますよー!」って元気に送り出してくれたけど、それが逆にプレッシャーだった。
もう二度と店に戻ってたまるか、と心に誓って作業開始。古い部品と新しい部品を見比べて、説明書を読んで…でも、透明な(なんで透明なんだよ!?)パッキンを何回もなくしたり、新しい塩ビ管を完璧主義が災いして短く切りすぎたり…。
…結局、3本目の腕がないせいで、5時間も水漏れと格闘することになった。
幸いだったのは、Amazonで1個買ったつもりが4個パックで届いた配管テープが大量にあったこと。今となっては一生分あると思ってたけど、このペースじゃすぐなくなるかも(笑)。
最終的には、その配管テープと、洗剤のボトルをうまいこと積み上げてパイプを支えながら、なんとか漏れを止めることができた。我ながら、すごい執念。
思ってたのと、実際に必要だったもの
今回の件で、計画と現実のギャップを痛感した。ちょっと表にまとめてみたんだけど…。
| やろうとしてた事 / 必要なモノ | 当初の甘い考え | 厳しい現実 |
|---|---|---|
| 水漏れの原因 | パイプの詰まりでしょ、たぶん。 | 20年モノのパッキンが完全に死んでた。経年劣化ってやつ。 |
| 作業範囲 | パイプを1本外して掃除するだけ。楽勝。 | 排水口アセンブリ全体が崩壊。全交換になった…。 |
| 必要な道具 | 素手とパイプクリーナーくらい? | チャンネルロック、配管テープ、金ノコ、あと尋常じゃない忍耐力。 |
| 精神状態 | 「ちょっとやってみるか」くらいの軽い気持ち。 | 「もう業者を呼ぼうか…いや、負けたくない」っていう葛藤の連続。 |
| かかった費用 | ゼロ円の予定だった。 | 部品代で2000円くらい。まぁ、業者呼ぶよりは安いけどね。 |
結局、DIYすべき時とプロに頼むべき時って?
これ、難しい問題だよね。アメリカのDIY情報サイトとか見ると、何でも自分でやっちゃうのが当たり前みたいな雰囲気だけど、日本の住宅、特にマンションとかだと配管もコンパクトだし、下手にいじって階下に水漏れさせたら大惨事。国土交通省のガイドラインとか見ても、やっぱり共用部分とか専門知識がいる部分は触るな、って書いてあるし。
個人的には、今回のみたいに「自分の家の」「シンクの下だけ」で完結する、失敗しても被害が自分だけで済む範囲なら、挑戦してみる価値はあると思う。でも、壁の中の配管とか、ガスの周りとか、そういうのは絶対プロに任せるべき。うん。
今回の修理で、ホームセンターで買ったもの以外に最終的に必要だったのはこれだけ。
- チャンネルロック(父の形見。これは一生大切にする)
- 配管テープ(大量にある)
- 小さな金ノコ
- 常人には理解しがたいレベルの忍耐力
かかった費用は、全部で2000円くらい。業者を呼んだら、たぶん1万5千円とか、もっとしたかな?そう思うと、頑張ってよかったかも。
…で、結局、なんでハンマーが必要だったんだっけ。もう完全に忘れちゃったよ。😂
あなたはどう?
「ちょっとした修理」のつもりが、とんでもない大ごとになった経験ってありますか?もしあったら、ぜひ下のコメントであなたの壮絶な(?)DIY物語を教えてください。
