乳がん闘病を乗り越えた私が、古い家で見つけた人生の再生

乳がん治療を乗り越えて、ハドソンバレーに古い家を買った私の新たな挑戦

乳がん治療という、抗がん剤や放射線、それからホルモンの薬もあって――まあ何とか過去にしたいと思いつつ、ふと気づけばハドソンバレーでちょっとボロめの家を買ってた。自分を立て直す間、何か手で触れられるものを直していたかったのかも。だけどね、男の人たちっていうのは、どうも私とこの朽ちかけた家を“助けるべきお姫様”みたいな目で見ることがあるらしくて。ベッド作りましょうか、とか棚取り付けますよとか、雨樋も掃除しますなんて言い出す人もちらほら。でもその代わりと言うか私は夕飯だとか一緒にいる時間だとか…できれば恋愛になったらいいなとも思いつつ。ただ、大抵の場合、一度会っただけでもう連絡なくなっちゃう。

そういえば、「フィクサーアップ物件ナンバー1」と呼ぼうかな…背が高くて細身で、“ランキー”なんて仮名にしておく。一番最初に出会ったのはマッチングアプリだったかな、多分今よりは頻繁に使っていたような記憶がある。

家そのものについて言えば―詳しい知識なんて全然ないまま購入してしまった気がする。週末だけ街から抜け出せる場所として選んだんだけど…。車も持ってなかったし運転免許は三回目受けるため教習所通い―これはもう聞かないで(笑)。行き帰りはトレイルウェイのバスだったり、不動産屋さんにも随分付き合ってもらった。

ランキーとは何度か都心でご飯食べたりしたことがあったような…。でも、細部はいろいろ曖昧になってきているし、その辺はまあどうでもいい話なのかもしれないね。

マッチドットコムで出会ったランディと、消えたキングサイズベッドの謎

彼は、話し方が上手で面白く、ユーモアもあり、小さな高級ベッドの会社に勤めていたらしい。家についてぽつぽつ説明していた時、「工場に戻る予定のキングサイズベッドがあるんだけど、無料でどう?」みたいな話をちらっと出されたことがあった。そういう流れになれば断る理由もなくて。「ぜひ」って返事した。

で、その背の高い人が、郊外にあるちょっと古びた家まで車を出してくれることになった。「リフォーム経験も少しあるから」と言われて。なんとなく運命的なものを感じたり…探し続けてきた「誰か」ってこういう人なのかな、とぼんやり思ったりもした。

日曜だったと思うけど、一緒にその家まで行った。大きめの屋敷というか、昔ながらの建物で、彼は玄関先で「ポテンシャルは感じるね」と一言。これはつまり修繕費用がかさむって遠回しに言っているようにも受け取れた。家と付き合う=自分とも付き合うことになる、と心の中で計算している感じだった。その後、これから大変だろうねと何となく曖昧なアドバイスをくれて、それほど熱心でもなかった気がする。

数時間くらい経ってからニューヨークまでまた戻った。その翌週だったか、ご飯でもとなっていたけど、「別の日にできないかな」という連絡が来て、それっきり音沙汰なし。一週間くらい待ってみても反応なくて、自分から留守電入れてみても全然返事なし。

ベッドの件についてもう一度電話してみたけど、それも無反応。本当に何も返事がこないまま終わった。当時はまだ「ゴースティング」なんて言葉すらほとんど聞かなかった頃。でも、この家のせいで誰かに距離を置かれることは、その後もちょくちょく起きた気がする。不思議な縁だなあと今さら思うこともある。

Comparison Table:
修理屋との関係出会いの経緯スキルや特徴結果
ジョンバーでの紹介からの友人関係アーティスト、工事も可、DJ微妙な雰囲気で終わり、数ヶ月後に引っ越し
スティーブOK Cupidで知り合ったカイロプラクター工具扱いが得意、映画と音楽好き期待感を膨らませたが距離を置かれる
クリス地元ミュージシャン、不動産にも関与していた多才で頼りになる存在、エアコンや雨樋修理など実施新しい付き合いには消極的だった
七人目の直し屋さん古い家を気に入ってくれた顔見知りに再会した後の関係多才な修理スキルを持つ信頼できる人材家の改修は続いているが、自分自身も頼るようになった

マッチドットコムで出会ったランディと、消えたキングサイズベッドの謎

アーティスト兼大工のマークと過ごした、ハリケーン・カトリーナの週末

フィクサーアッパーと呼ばれていたマークという人、番号で言えば二番目の彼だったかな。都会のどこかのパーティーで出会った時、確かに芸術家みたいな雰囲気があって、妙に印象的だった気がする。ちょっとした冗談も交えつつ番号を交換して、まあ、それだけで終わることも多いけど、どういうわけか彼は電話をくれた。夕食に誘われた場所がマンハッタンでは珍しく、自分のアパートだったんだよね。あそこはレストランが無数にあるはずなのに。

大工や建築作業員としても働いているらしい、と途中で知った。家の改修を手伝うと言い出してきて、その時は半信半疑だった。「本当にやりたいんだ」と何度か繰り返すものだから、一応受け入れることにした。

それから一、二週間くらい経ってたかな。キングストン行きのトレイルウェイズバスに乗って、自分の中古ホンダ・アコードクーペ(スポーツカーには全然届かない感じだけど…)を駐車場から引っ張り出すことになった。初めて運転免許取って間もない頃だったと思う。

最初のフィクサーアッパーと違って、「ポテンシャル」みたいな言葉はほぼ口にしなかった。でも実際にお願いした作業――廊下の新しいビードボード天井を釘打ちしてほしいって頼んだ時、微妙な反応を見せたような気がする。それと、寝室について説明した時…自分とは別の部屋になると伝えると、更に戸惑った表情になっていたような…。細部は曖昧だけど、大体そんな流れだったと思う。

地元の建設作業員ジョンとのデートが、大家さんの警告で台無しになった夜

彼が週末に梯子の上で釘を打つなんて、たぶんあまり気が進まなかったのだろう。他にもっと楽しいことを思い描いていたんじゃないかと今でも思う。自分自身のガンの話を、知らない誰か――トムとかディックとか、マークだったかな?――には当時とても話す気になれなかった。回復途中で、自信もまだ戻ってきていなくて、体も正直そこまで元気じゃなかった。そんな状況を彼は喜んではいなかったようだけど、それでも天井に釘を打ってくれた。手伝ってもらった罪悪感からか、その日の夕方、近所の酒場でご飯をご馳走した記憶がある。

季節は夏の終わり頃だったと思う。二人でカウンター席に座りながら、大きな台風――確かカトリーナという名前だった――がテレビ画面いっぱいに映し出されていた。その映像は現実味が薄くて、目の前の日常とはまるで別世界みたいだったけど、不思議と自分の悩み事も小さく感じられた。

その夜、一度だけ恋人っぽい雰囲気になったような…いや、細かいことは覚えていない。ただ翌朝になって車でバス停まで送った。それ以降、とくに連絡は来なかったし、自分からもしなかった。

地元の建設作業員ジョンとのデートが、大家さんの警告で台無しになった夜

ヨガ仲間から始まったロブとの、満たされないお互い様関係

直してもらいたい場所、三番目の人だったかな、名前はジョン。地元の現場でよく見かける、まあ工事系の仕事をしている男性。たしか地下室に手を入れるのと、ダイニングあたりにフランス扉っぽいもの作ってもらった。正直なところ、細かい部分は多少アバウトだけど、それでも大きなミスは少なくて。でも、あの視線というか…じっと見つめてくる感じとか、その軽い冗談交じりの話し方とか、自分にはちょっと気になる時が何度かあった気がする。

ジョンについては以前何かで聞いたことがある。昔ちょっと色々あって、一時期薬物関係で苦労したみたいだとか。今は前向きに生活立て直そうとしてるっぽかったから、なんとなく応援したい気持ちも湧いてた。多分そのせいで仕事頼んだんだろうな、と後になって思うことも。

食事に誘われた日がいつだったか…もう数ヶ月前だったような気もするし、それより最近だったような曖昧さ。でもまあ、その時断れば良かったと後悔する場面もちらほら思い出される。その夜の最後、小さめのバーというか飲み屋?そこにもともと興味があって、一度行ってみたいと思ってた場所だったんだ。でも、なんとなく雰囲気が違ったし、お酒もちょっとだけ飲んだ程度。

結局、その晩特別大きな事件やドラマチックな展開は無かった。ただ普通に食事して、お喋りして――まあ、ごく普通の日常的な出来事。それでも、人によってこういう状況をどう感じるかは違うものなのかな、とふと思ったりした。

OKキューピッドで知り合った整体師スティーブと、クローゼット修理から芽生えた恋の可能性

バーのカウンターで、彼がなんとなく自分の大家さんらしき人を紹介してきた。名前はもう忘れてしまったけど、その人は私を見るなり短く「お前、あいつと一緒に住むつもりじゃないだろうな」と少しぶっきらぼうに言った気がする。 いや、私は彼の雇い主です、とちょっと肩肘張って答えたかもしれない。

大家さんは何年も前からここに住んでいるようだった。「こいつ、俺から金盗みやがったんだぞ」と睨まれた時、場の空気が少し重くなった感じ。ジョン(そう呼んでいたと思う)は「違います、僕じゃありません」と小さく口ごもっていた。でも真偽なんてその場では誰にもわからないものだし。ただ警戒された私はちょっと居心地悪かった。

「アイツには気をつけるんだよ、お嬢ちゃん」そんなふうに言われた記憶があるけど、本当かどうか曖昧。 せっかくの楽しい夜だったはずなのに、一瞬で微妙な雰囲気になってしまった。 私も「あー……もう帰ります」と伝えて席を立つことにした。その時ジョンは少し落ち込んで見えた。

歩いて帰る途中、「これってデートだった?」とジョンが突然聞いてきて、「友達と思ってたけど…」と返事したような気もする。でもなんとなく分かっていた部分もあり、「本当に金なんて盗んでないから信じてほしい」と強調していた。

私は「信じてるよ、でも友達の方が良いかな」と柔らかめに返した覚えがある。それから長い時間経ったわけじゃないけれど、ジョンは数ヶ月後には遠い場所へ引っ越してしまったみたい。その後連絡は特になかった。今思えば、大した出来事でもなかったような気もしなくもない。

OKキューピッドで知り合った整体師スティーブと、クローゼット修理から芽生えた恋の可能性

町の有能な音楽家クリスは、屋根修理も完璧だけど彼女持ちという現実

リフォーム業者の四人目だったかな、アーティストっぽい雰囲気もあって、工事とかもできるみたいな人。確か、夜はどこかのクラブでDJもしていたような覚えがある。年齢は自分より七つちょっと下くらいかな、多分それくらい差があった印象。プエルトリコとイタリアの血が半々入っているらしくて、英語もちょっと独特で面白かった…というか、不思議とその話し方には惹かれてしまった。

ヨガ教室に向かう途中だったと思う、ご近所さんの家で彼が作業していて、その時に軽く口笛を吹かれた気がする。それから何度か偶然会うことになって、そのうち向こうから食事でもどう?みたいな誘いを受けた。でも私としてはデートというより、一緒にヨガ行こうよ、と返したんだよね。すると意外とすんなり来てくれて。

自分の家を見せた時、「棚でもつけてあげようか」なんて申し出てくれて。棚付けなんて全然得意じゃないから、それならお願いしちゃおうかなって。その代わりと言うわけじゃないけど、私が夕食を作る流れになって。そういう持ちつ持たれつみたいなのが続いた感じ。ただ…だんだん気づいたんだけど、彼は見た目も悪くないし愛想もいいけど、なんとなく熱量が合わなかったというか、自分とは違う場所にいる感じ?

今でも町中でふと顔を合わせることはある。でもお互い軽く笑って、それだけで通り過ぎちゃうことが多いかな。

7人目のヒーローは昔知っていたあの人?ついに見つけた家と私を受け入れてくれるパートナー

たぶん五番目くらいの「修理が必要なタイプ」だったかな、あれはOK Cupidで出会った人。スティーブって名前で、カイロプラクターもやってて、なんか工具とかも扱えるみたいだった。家のクローゼットを直してくれたり、キッチンにちょっとした改造案をさらっと提案したりして、不思議と親しみやすい感じだったと思う。お互い映画とか音楽、それからマティーニが好きで、その辺は妙に波長が合ってた気がする。

彼自身は今まさに結構きつそうな離婚の真っ只中らしくて、「自分の家に住んでいる人々」とどうこう…と冗談めかして話していたこともあった。でもまあ、全部が全部完璧ってわけじゃないし、その時点ではどちらかというと未来に対してふわっとした期待みたいなのが膨らんでいたような。

実際には、自分でも何となく無理やり話を進めちゃった部分もあったかもしれない。将来はどう?とか、きちんとした関係を求めてる、と伝えてしまった後くらいから向こうも少し距離を置き始めた気配…。正直なところ、多分どちらも本当にはまだ準備できてなかったんだろうな。そんなこんなで、お互い納得しながら別れることになったけど、大げさなドラマにはならず終わった…たしかそんな感じだったと思う。

7人目のヒーローは昔知っていたあの人?ついに見つけた家と私を受け入れてくれるパートナー

20年かけて学んだ「家も自分も、直すのは結局自分しかいない」という真実

修理屋の六番目、クリスっていう地元のミュージシャンで、不動産にも少し関わっていたみたい。背が高かった気もするけど、実際はどうだったかな。まぁ、彼は旅好きで話も面白いし、見た目も悪くない方だったような印象が残ってる。そういえば、エアコンを直してくれたり、屋根に登ったりして雨樋を掃除したり、窓もちょっと調整してくれたこともあったっけ。まるで何でもできる人みたいだった。

でも、その時点で彼は長めの恋愛から抜け出したばかりだと言っていて、新しい付き合いには消極的らしかった。最初はちょっと意外だったかもしれない。でも、その後になんとなく分かってきたのは、彼の魅力に気づいていた人は自分だけじゃなかったということ。他にも近所の女性が一人いて、その人とクリスは結局そこそこの期間、一緒にいたようだ。

今思えば、人や物事にはうまくいかないタイミングってものがあるのかもしれないと思う時もあるし、それほど単純じゃないとも感じる日がある。全部曖昧な記憶だけど、多分こんな話だったかな…。

ダメ男たちとの失敗談が教えてくれた、本当に必要なものを見極める力

たしか、七人目くらいの直し屋さんが運良く当たりだったんじゃないかと思う。もともと家を買う前から顔見知りで、かなりあとになってまた再会した気がする。彼はこの古い家を妙に気に入ってくれて、自分のことも大事にしてくれたみたい。なんとなく、多才な修理スキルも持ち合わせていたようだ。それで助かったことも少なくない。

ただ、二十年近く経った今では、この家が「すっかり完成」なんて状態になる日は来るのかな、と疑問に思う日々。実際には、どこかしら手を加える部分が残るものだとやっと理解し始めた感じがする。一方で、自分自身についても、結局は自分だけが頼りという考え方になった。不器用でも、自分で修復していくしかない場面ばかり。他人に期待しすぎても、お互い求め合ってしまったりして、あまりよい結果にならないこともある。

そういえば、家の改修と人生の立て直しって似ているようなところがあると思う時がある。誰か他の人任せじゃなく、自分で何とかしなきゃならない部分ばかりだった。でもまあ、その過程そのものに意味や満足感みたいなものがあるんじゃないかな、と最近は少し思えるようになった。

記憶違いだったらごめんけど、そんな風に振り返ることもある。完成形にはならなくても、それで悪くない場合も多い気がする。

Related to this topic:

Comments