実用的なアドバイス一覧 - 西アフリカ国境越えを安全かつ快適に体験するための即効アドバイス
- パスポートや現金、貴重品は必ず身につけて持ち歩き、手荷物検査時も目を離さない。
民間人や係官による抜き取り・騙し取り被害をほぼ100%防げるから。
- イエローカード(黄熱病予防接種証明書)とビザ原本を事前にチェック、出発7日前までに用意。
現地での入国拒否や再検査による長時間足止めのリスクがゼロになる。
- 賄賂要求には断固応じず、毅然とした態度で「NO」と伝え続ける。
`金銭請求`の9割が引き下がり、不当なトラブル回避になる。
- [両替・ガイド料]は正規カウンターのみ利用し、相場より10%以上高い場合は即断って移動。
悪質な民間商売から確実に逃げられ余計な損失なし。
朝のカイラフンで始まる奇妙なダンスと渋滞
壊れたシステムには忍耐が必要だなあ、なんて思いながら、シエラレオネでの最後の朝をぼんやり迎えていた。カイラフンの道端、午前7時前だったっけ。いや、もっと早かったかも?まあ、その辺りで立ち尽くしていたわけだ。モトタクシーの運転手が私のバックパックをバイクにしっかり括り付ける作業をしている間、頭は半分寝てた。でも、急に大きな音がしたせいで目が覚めた。というかね、目の前に突然ピックアップトラックが現れて、その荷台には巨大なスピーカーが積まれていてさ。うーん、不意打ちすぎる。
白い制服の子供たちが建物からどっと出てきて、とつぜん通りに集まり始める。その光景だけでも非日常なのに、「何ごとか?」と考え込む間もなくスピーカーから爆音で音楽が流れ出した。…いや本当にデカい音だったよ。そして彼らは一斉に踊りだす。叫び声と笑い声、それにつられて交通も完全停止。でもまあ、混乱というよりお祭り騒ぎって感じだったかな。そうそう、近くでニット帽を被った男性——寒さ対策かな——その人が私の戸惑った顔を見るなり笑って、「これぞアフリカ!クレイジーだろ!」って言って指差してきた。その瞬間、自分もちょっと緊張感ほぐれちゃった。不思議な朝だった。
この日はね、本当は違うこと考えていたんだけど…ああ、ごめん、話戻す。マイク——旅仲間なんだけど——と私は、この日シエラレオネからリベリアへの国境越えをする予定だったわけ。ただ、この国境検問所自体、人里離れているし、自分でも色々フォーラム調べたりしたけど、本当に短いコメントしか情報なくて…。不安にならない方がおかしいよね。不確実性とかプレッシャーとか、それなりについて回る。それもあって、「計画崩れた場合どうしよう」みたいなプランB的心構えは、一応持っていたつもり。
北東部シエラレオネでは厳しい道も多かったと思う。実際バイクなら多少凸凹や不快感程度ですむ道でも、自動車やバスなら結構辛い……いや辛すぎるくらいかもしれない。それでも乾季だからまだマシだったんだろう。この地域は雨季になると本当に道悪くなるし、一気に移動速度落ちたり最悪ぬかるみ地獄で進めなくなる可能性さえ知られている。それ考えると怖いよね…。
コインドゥではまたバイク乗り換えないといけなくて、新しい運賃交渉もし直し。その後ようやく午前8時には埃っぽい国境まで向かう道へ出発できた。「あ〜もう面倒」と思いつつも、それも旅の日常になってしまうものなんだろうな、と今さら気づいた次第…。
白い制服の子供たちが建物からどっと出てきて、とつぜん通りに集まり始める。その光景だけでも非日常なのに、「何ごとか?」と考え込む間もなくスピーカーから爆音で音楽が流れ出した。…いや本当にデカい音だったよ。そして彼らは一斉に踊りだす。叫び声と笑い声、それにつられて交通も完全停止。でもまあ、混乱というよりお祭り騒ぎって感じだったかな。そうそう、近くでニット帽を被った男性——寒さ対策かな——その人が私の戸惑った顔を見るなり笑って、「これぞアフリカ!クレイジーだろ!」って言って指差してきた。その瞬間、自分もちょっと緊張感ほぐれちゃった。不思議な朝だった。
この日はね、本当は違うこと考えていたんだけど…ああ、ごめん、話戻す。マイク——旅仲間なんだけど——と私は、この日シエラレオネからリベリアへの国境越えをする予定だったわけ。ただ、この国境検問所自体、人里離れているし、自分でも色々フォーラム調べたりしたけど、本当に短いコメントしか情報なくて…。不安にならない方がおかしいよね。不確実性とかプレッシャーとか、それなりについて回る。それもあって、「計画崩れた場合どうしよう」みたいなプランB的心構えは、一応持っていたつもり。
北東部シエラレオネでは厳しい道も多かったと思う。実際バイクなら多少凸凹や不快感程度ですむ道でも、自動車やバスなら結構辛い……いや辛すぎるくらいかもしれない。それでも乾季だからまだマシだったんだろう。この地域は雨季になると本当に道悪くなるし、一気に移動速度落ちたり最悪ぬかるみ地獄で進めなくなる可能性さえ知られている。それ考えると怖いよね…。
コインドゥではまたバイク乗り換えないといけなくて、新しい運賃交渉もし直し。その後ようやく午前8時には埃っぽい国境まで向かう道へ出発できた。「あ〜もう面倒」と思いつつも、それも旅の日常になってしまうものなんだろうな、と今さら気づいた次第…。
オフロード、埃っぽい道と自称親切な役人達
ジャングルがふいに途切れた。なんだろう、頭上にはただ空が広がっていて、自分の周囲は信じられないほど背の高いエレファントグラスにすっぽりと包まれている。ああ、そうだ、1935年、この地を通ったイギリスの小説家であり旅行作家でもあるグレアム・グリーンの写真を思い出した。彼はカーキ色のショートパンツ、それからピスヘルメットという格好で、こういう高い草むらのトンネルみたいなところを歩いていたんだっけ。
その当時、西アフリカ内陸部までやって来るヨーロッパ人なんて本当に数えるほどしかいなかったらしい。まあ、そういう話も本当かどうかわからないけど…いや、多分本当かな? 彼がリベリアの入国管理や税関で体験したことは、面倒で、その上お金もかかったようだったとか聞いた。でもね、自分たちはもう少し良い体験になればいいなと淡く期待していたわけで。
シエラレオネ側の入国管理所に着くと、手続きは意外なほど順調だった。小さな部屋に案内されてさ、担当官がパスポート情報を書き写している。その間に—うーん、ついつい他人事みたいだけど—こういう辺境の国境では帳簿にほかどんな記録があるかつい見たくなる癖が自分にはある。「外国人」、つまりシエラレオネやリベリア以外から来た旅行者による最後の記録は5日前、その前は2週間前だった。本当に誰も来てないんだな…とぼんやり考えてしまった。これじゃあ、この場所についてネット上で情報がほぼ無い理由もなんとなく腑に落ちる。
担当官は書類を書きながら「私たちには親切で協力的であるべきですよ」と話しかけてきたので、「ええ」と同意し感謝も述べた。でもまたパスポート返却時にも同じことを言われて、それから妙な視線まで送られて—いや別になんとも思わなくてもよかったかもしれない、自分自身年配の白人男性だし、その日は埃まみれだったしね。深読みする気にもならず。ただ、「これは俗に言う金銭的寄付への無言のお誘いなのかな?」と一瞬思ったものの、とぼけて改めて丁重に礼だけ伝えてそそくさと事務所を後にした。まあ、何事もなく済んだからよかった…かな。
その当時、西アフリカ内陸部までやって来るヨーロッパ人なんて本当に数えるほどしかいなかったらしい。まあ、そういう話も本当かどうかわからないけど…いや、多分本当かな? 彼がリベリアの入国管理や税関で体験したことは、面倒で、その上お金もかかったようだったとか聞いた。でもね、自分たちはもう少し良い体験になればいいなと淡く期待していたわけで。
シエラレオネ側の入国管理所に着くと、手続きは意外なほど順調だった。小さな部屋に案内されてさ、担当官がパスポート情報を書き写している。その間に—うーん、ついつい他人事みたいだけど—こういう辺境の国境では帳簿にほかどんな記録があるかつい見たくなる癖が自分にはある。「外国人」、つまりシエラレオネやリベリア以外から来た旅行者による最後の記録は5日前、その前は2週間前だった。本当に誰も来てないんだな…とぼんやり考えてしまった。これじゃあ、この場所についてネット上で情報がほぼ無い理由もなんとなく腑に落ちる。
担当官は書類を書きながら「私たちには親切で協力的であるべきですよ」と話しかけてきたので、「ええ」と同意し感謝も述べた。でもまたパスポート返却時にも同じことを言われて、それから妙な視線まで送られて—いや別になんとも思わなくてもよかったかもしれない、自分自身年配の白人男性だし、その日は埃まみれだったしね。深読みする気にもならず。ただ、「これは俗に言う金銭的寄付への無言のお誘いなのかな?」と一瞬思ったものの、とぼけて改めて丁重に礼だけ伝えてそそくさと事務所を後にした。まあ、何事もなく済んだからよかった…かな。

パスポート帳簿の古びたインク、見知らぬ国境線
外で、彼が私たちの背後から「これから税関がバックパックを調べる」と言ってきた。うーん、たぶんだけど、私たちがあの微妙な賄賂の誘いに反応しなかったせいなんだろう。まあ、どうでもいいか。とりあえず私たちはバックパックを引きずりながら、なんとなく重苦しい感じでさらに大きな部屋へ向かった。中には制服姿の職員が数人いて、私は自分のバックパックをテーブルに乗せてみることにした。イモムシの解剖実験を理科室でしたときみたいな変な気分になった。えっと…ファスナー開ける音さえやけに耳につく。
そして椅子に座ったわけだけど、このまま一日ここで過ごしても誰も文句言わないんじゃないかと思ったり。でも本当は時間はまだ十分あったし、それでも正直こんな場所で税関職員とだらだら一緒にいるとか望んでないよね。不思議だけど、緊張してないふりすることで、「手続きは円滑ですよ」って態度を無意識で示していた気がする。でもそれ、本当に効果あるのかな…。衣服とか食料品、防虫ネットとか色々ガサガサ調べられた後、職員たちは急に興味なくしたようだった。
そういえばマイクのバックパックは何故か検査されず、そのまま素通り。なんで?不公平感すごい。「もう行っていいですよ」と主任っぽい税関官がうなずいて、それ聞いた瞬間、「よし、とりあえず半分終わった」って心の中で呟いた。国境って本当に恣意的というか…いや、まあ地図上では線が引いてあるだけだし、大抵の場合ほとんど意味なんてない。ただ目には見えない壁として存在している。それなのに、その境界線を越える時だけ妙に特別な感覚になる。不思議だね。一つの規則から別の規則へ、一つの言語や政治色からまた違うものへ、安全圏からそうじゃない場所(逆も然り)への移動だからなのかなぁ。
シエラレオネとリベリアとの間にあるその見えない壁は、更なる象草――エレファントグラス――や砂利道沿いにも静かに続いていた。考えてみればほんと馬鹿みたいだけど。その後、数分もしないうちに、小さなセメントブロック造りの建物まで着いた。この建物はさっき出てきたやつとよく似ていた。しかし、小さなリベリア国旗がポールについて風になびいてて、その端っこがほどけそうになっている様子だった。不意に脇道へそれちゃったけど……マンゴー樹林が側面いっぱい影落としていて、妙に涼しい空気だった。
入国管理事務所としてそこには古びたテーブルと椅子二脚しかなくて、壁には掲示もなし。その周囲には七人くらい集まってワイワイ会話している声が響いていた。どうしてあんな小さいスペースなのに皆集まりたがるんだろう…。
そして椅子に座ったわけだけど、このまま一日ここで過ごしても誰も文句言わないんじゃないかと思ったり。でも本当は時間はまだ十分あったし、それでも正直こんな場所で税関職員とだらだら一緒にいるとか望んでないよね。不思議だけど、緊張してないふりすることで、「手続きは円滑ですよ」って態度を無意識で示していた気がする。でもそれ、本当に効果あるのかな…。衣服とか食料品、防虫ネットとか色々ガサガサ調べられた後、職員たちは急に興味なくしたようだった。
そういえばマイクのバックパックは何故か検査されず、そのまま素通り。なんで?不公平感すごい。「もう行っていいですよ」と主任っぽい税関官がうなずいて、それ聞いた瞬間、「よし、とりあえず半分終わった」って心の中で呟いた。国境って本当に恣意的というか…いや、まあ地図上では線が引いてあるだけだし、大抵の場合ほとんど意味なんてない。ただ目には見えない壁として存在している。それなのに、その境界線を越える時だけ妙に特別な感覚になる。不思議だね。一つの規則から別の規則へ、一つの言語や政治色からまた違うものへ、安全圏からそうじゃない場所(逆も然り)への移動だからなのかなぁ。
シエラレオネとリベリアとの間にあるその見えない壁は、更なる象草――エレファントグラス――や砂利道沿いにも静かに続いていた。考えてみればほんと馬鹿みたいだけど。その後、数分もしないうちに、小さなセメントブロック造りの建物まで着いた。この建物はさっき出てきたやつとよく似ていた。しかし、小さなリベリア国旗がポールについて風になびいてて、その端っこがほどけそうになっている様子だった。不意に脇道へそれちゃったけど……マンゴー樹林が側面いっぱい影落としていて、妙に涼しい空気だった。
入国管理事務所としてそこには古びたテーブルと椅子二脚しかなくて、壁には掲示もなし。その周囲には七人くらい集まってワイワイ会話している声が響いていた。どうしてあんな小さいスペースなのに皆集まりたがるんだろう…。
バッグ解体ショーと空振り賄賂アピールの無為な時間
部屋の様子を覗こうとしたけれど、うーん、信じられないくらい散らかっていた。誰も制服なんて着ていないし、なんというか場違いな感じさえ漂っている。まあ、そんなことはさておき――最も近くにいたのはフェドラ帽をかぶった老人だったので、とりあえずその人の方へ歩いて行った。で、パスポートを差し出してみた。彼は受け取ってくれて、中身をぺらぺらめくり始めた…と思ったら、その隣の若い男性がすぐにそれを取り上げる。ふたりで短く何やら会話してる。その時ふと別のことを考えてしまった――いや、それより言語が急に変わったみたいだぞ?シエラレオネで聞いた英語のパトワから、一瞬でリベリア式の変な(失礼)バリエーションになって、全然理解できなくなった。ま、いいか。
「ノービザ、ノービザ」と若者は言いつつページを指でぱらぱらめくる。不安そうなのが顔に出ていて、自信なさげだった気がする。「イエス、ビザ」と私は穏やかな声色で自分のパスポートを引き戻し、大きなインクスタンプが押してある後ろのページを指差した。その仕草が我ながら妙に強調されてしまったようにも思える。他の二人も興味津々というか、不思議そうな面持ちで覗き込んできた。そしてその時になってやっと気づいたんだけど…彼だけベルトに手錠を付けていた。それが権威の印なのだろうと(たぶん…)、妙に納得してしまい、おおよそこの場の指揮系統が読めた気になった。
フェドラ帽のお爺さんがスタンプ部分を指さし、「ここにはコナクリって書いてあるぞ。これはギニアへのビザだ」と言う。でも私は指先でもう一度示して、「ここには『リベリア共和国大使館』とちゃんと書いてあります」と皆にも見えるよう差し出した。担当っぽい若者はなんだか落ち着きを欠いていて……今さらながら、この空気感に少し不安になる自分もいる。
「ノービザ、ノービザ」と若者は言いつつページを指でぱらぱらめくる。不安そうなのが顔に出ていて、自信なさげだった気がする。「イエス、ビザ」と私は穏やかな声色で自分のパスポートを引き戻し、大きなインクスタンプが押してある後ろのページを指差した。その仕草が我ながら妙に強調されてしまったようにも思える。他の二人も興味津々というか、不思議そうな面持ちで覗き込んできた。そしてその時になってやっと気づいたんだけど…彼だけベルトに手錠を付けていた。それが権威の印なのだろうと(たぶん…)、妙に納得してしまい、おおよそこの場の指揮系統が読めた気になった。
フェドラ帽のお爺さんがスタンプ部分を指さし、「ここにはコナクリって書いてあるぞ。これはギニアへのビザだ」と言う。でも私は指先でもう一度示して、「ここには『リベリア共和国大使館』とちゃんと書いてあります」と皆にも見えるよう差し出した。担当っぽい若者はなんだか落ち着きを欠いていて……今さらながら、この空気感に少し不安になる自分もいる。

象草トンネル抜ければリベリア側は制服もない混沌劇場
彼は、何をしたらいいのか、正直よく分かっていなかったみたいだ。ああ、ギニアで発行されたビザを持つ外国人がここを通ったことなんて、おそらく今まで一度もなかったんじゃないか…いや、知らないけどさ。フェドラ氏はまたじっとスタンプを見つめていた。「日付が1月28日と記されている。今日は2月8日だよ。あなたのビザは期限切れです」と言われた。その瞬間、私はちょっと混乱してしまって、「私はこのビザを1月28日に取得しました。ちゃんとここに、36ヶ月有効って書いてあるんです。うーん、一度ご確認いただけますか?」と指差しながら伝えた。でもね、どうやら彼には納得してもらえなかったようだ。
手錠を持った若い係員に、その紙を返した時、「このスタンプに書いてある内容なら、どこでも説明できるし、全部ちゃんと明記されていますから」と言いかけた。でも途中でふと思ったんだけど、自分がこんな必死に説明する必要ある?いや、それでも仕方ないか…とにかく全部書いてあることは事実なんだから、と自分に言い聞かせて本筋へ戻った。
手錠を持った若い係員に、その紙を返した時、「このスタンプに書いてある内容なら、どこでも説明できるし、全部ちゃんと明記されていますから」と言いかけた。でも途中でふと思ったんだけど、自分がこんな必死に説明する必要ある?いや、それでも仕方ないか…とにかく全部書いてあることは事実なんだから、と自分に言い聞かせて本筋へ戻った。
フェドラ帽老人と手錠青年のパトワ討論会が延々続く午後
友人も同じビザを持っているから、比較したければどうぞ、とマイクがふとパスポートを差し出してきた。うーん、その場には年配の男性もいたからか、彼の年齢とか、ああいう場合に誰もが自然に求める敬意みたいなもの…それで状況がややこしくならないかな、と内心少し不安だった。ま、それはともかく。
白いヘッドラップを巻いた女性も一緒にいて、会話の応酬に小さく頷きながらクリック音を立てたりして、その年配男性の言い分に賛成する仕草を見せていた。なんというか…議論はリベリア英語の方言で延々と続いて、お互い全然譲る気配なし。実はこの手の空気、苦手なんだよね。でもマイクを見ると特になにも言わなくても察する感じで、それだけで十分だった。まあ、説明不要ってやつ?
そうこうしている間に、この時点で自分はただ従順さと落ち着きを保った方がいいなと思った。それしかできないし…。責任者っぽい若い男性が突然立ち上がり、「えっと」と思う間もなく私たちのパスポートを手に部屋から出て行った。その瞬間、不安がぶわっと広がる。「あれ?今ので大丈夫なの?」って心臓ばくばく。
その場にはもう一人だけ黙ったまま座ってた男の人もいて、思わず「彼は私たちのパスポートどこへ持って行くんですか?」と聞いてしまった。「フォヤ(Foya)に電話してるよ。イミグレーションオフィスだ。」との返事。いやいや、本当にそれだけなのかな…。
白いヘッドラップを巻いた女性も一緒にいて、会話の応酬に小さく頷きながらクリック音を立てたりして、その年配男性の言い分に賛成する仕草を見せていた。なんというか…議論はリベリア英語の方言で延々と続いて、お互い全然譲る気配なし。実はこの手の空気、苦手なんだよね。でもマイクを見ると特になにも言わなくても察する感じで、それだけで十分だった。まあ、説明不要ってやつ?
そうこうしている間に、この時点で自分はただ従順さと落ち着きを保った方がいいなと思った。それしかできないし…。責任者っぽい若い男性が突然立ち上がり、「えっと」と思う間もなく私たちのパスポートを手に部屋から出て行った。その瞬間、不安がぶわっと広がる。「あれ?今ので大丈夫なの?」って心臓ばくばく。
その場にはもう一人だけ黙ったまま座ってた男の人もいて、思わず「彼は私たちのパスポートどこへ持って行くんですか?」と聞いてしまった。「フォヤ(Foya)に電話してるよ。イミグレーションオフィスだ。」との返事。いやいや、本当にそれだけなのかな…。

長引く不安、消えるパスポート、不明瞭な「イミグレ」呼び出し
「ここが入国審査かと思ってたんだけど、ここでスタンプもらえるよね?」ってつい口から出てしまった。
「ああ……」彼は何だか曖昧な返事をして、唇を細く結んだ。ま、答えにくい質問だったのかもしれない。どうなんだろう。いや、違うかな?「心配しなくて大丈夫ですよ」と彼が微笑みながら言ったので、ちょっと安心した。
「Don’t worry, be happy(心配しないで、幸せになろう)」と自分でも冗談めかして付け加えたら、彼もふっと笑ってくれてさ、お決まりみたいに手を叩いて握手して、それから指パチンと鳴らす動作までやって見せた。何となくだけど、このオフィスの誰かと仲良くなっておいて損はない気がした。いや、本当にそうなのかな? まあ…変な勘ぐりはやめよう。
マイクが窓の外をぼんやり眺めながら、「彼はどこへ行った?」とぽつりと言った。その係官の姿がぱたりと消えていた。「木のそばで電話してるんだよ。そこしか電波入らないし」と私の新しい友人――名前聞いたっけ?――が指差した。本当なのかな、と少しだけ疑念も浮かぶ。でも信じるしかない。不安になる理由も特にはなかった。
実際パスポートを持ち去られる時、不正な担当者なら書類がこちらの目から離れた瞬間に何でも要求される可能性もあるわけで…。いやあ、考えすぎかな。でも今通過したシエラレオネ側とは違って、この場所ではまだ賄賂へのプレッシャーとかは全然感じていない。ただ単純に私たち外国人への対応経験が足りなくて、間違いを避けたいという雰囲気だった。それだけ…多分ね。
「ああ……」彼は何だか曖昧な返事をして、唇を細く結んだ。ま、答えにくい質問だったのかもしれない。どうなんだろう。いや、違うかな?「心配しなくて大丈夫ですよ」と彼が微笑みながら言ったので、ちょっと安心した。
「Don’t worry, be happy(心配しないで、幸せになろう)」と自分でも冗談めかして付け加えたら、彼もふっと笑ってくれてさ、お決まりみたいに手を叩いて握手して、それから指パチンと鳴らす動作までやって見せた。何となくだけど、このオフィスの誰かと仲良くなっておいて損はない気がした。いや、本当にそうなのかな? まあ…変な勘ぐりはやめよう。
マイクが窓の外をぼんやり眺めながら、「彼はどこへ行った?」とぽつりと言った。その係官の姿がぱたりと消えていた。「木のそばで電話してるんだよ。そこしか電波入らないし」と私の新しい友人――名前聞いたっけ?――が指差した。本当なのかな、と少しだけ疑念も浮かぶ。でも信じるしかない。不安になる理由も特にはなかった。
実際パスポートを持ち去られる時、不正な担当者なら書類がこちらの目から離れた瞬間に何でも要求される可能性もあるわけで…。いやあ、考えすぎかな。でも今通過したシエラレオネ側とは違って、この場所ではまだ賄賂へのプレッシャーとかは全然感じていない。ただ単純に私たち外国人への対応経験が足りなくて、間違いを避けたいという雰囲気だった。それだけ…多分ね。
竹小屋チェックポイントで待つ焦燥感―でも陽気な握手あり
電話の電波が弱かったのか、それとも…まあ、どっちでもいいや、とにかく若い男性がひたすら大声で同じ言葉を何度も繰り返していた。聞き取れた単語は「ビザ」と「コナクリ」だけで、それ以外はぜんぜん頭に入ってこなかった。ま、こういうときって案外みんな耳をそばだてるものなんだよね、建物の中にいた人々も一様に熱心にその会話を聞いていて、時折笑い声まで響いた。不思議と微笑ましい感じさえしたけど。ああ、私はマイクに向かって、「少なくとも面白いね」とつぶやいてみたりした。
ベンチに座ってぼーっと待つことに決めた。でも三十分後だったかな…正確には覚えてないけど、そのくらい経った頃、急展開がやってきた。私たちはモトタクシーの後ろになんとなく押し込まれてしまい、若い主任入国管理官が前を走り出して、そのままフォヤまで案内されたわけだ。その間ずっとスタンプとかそういう儀式的な手続きは一切なくて、この時点ですでにリベリア国内へ正式な書類もなしで入り込むことになった。うーん、不安というより半分呆れる気持ちだった。
私は実はフォヤの入国管理施設というものを勝手に事務所みたいな場所だと思い込んでいた。でも現実は全然違っててさ、道路脇には竹枠とヤシの葉っぱだけで作られた屋根しか存在せず、その前には車両ストップ用なのかロープがゆるく吊るされているだけだった。つまり、ごく簡素な検問所だったわけ。それでも指揮官ぽい人物が新調した制服を身につけている姿を見て、一瞬だけ「あ、この人なら行政上何か判断できる権限あるかもしれない」なんて期待してしまった。でも——いや話逸れるけど、新品の制服着てるからと言って必ずしも偉いとは限らないよね……ごほん、本題戻そう。
そこから十分ほどかな、周囲から意見が飛び交ったり指差し合戦になったり、ごちゃごちゃした議論が続いた末、「ビザは有効」と最終的には認めてもらえた。それまでピリピリして担当していた若手職員が今度は合図を送りながら私だけ呼び寄せて話そうとしてきた。「ああ~これは賄賂要求パターン?」と一瞬身構えたりした。しかし結局その要求自体は来なくて、「パスポートを渡してください。」と言われただけだった。不思議な安堵感と拍子抜け……まあ、生ぬるさというべきか。
ベンチに座ってぼーっと待つことに決めた。でも三十分後だったかな…正確には覚えてないけど、そのくらい経った頃、急展開がやってきた。私たちはモトタクシーの後ろになんとなく押し込まれてしまい、若い主任入国管理官が前を走り出して、そのままフォヤまで案内されたわけだ。その間ずっとスタンプとかそういう儀式的な手続きは一切なくて、この時点ですでにリベリア国内へ正式な書類もなしで入り込むことになった。うーん、不安というより半分呆れる気持ちだった。
私は実はフォヤの入国管理施設というものを勝手に事務所みたいな場所だと思い込んでいた。でも現実は全然違っててさ、道路脇には竹枠とヤシの葉っぱだけで作られた屋根しか存在せず、その前には車両ストップ用なのかロープがゆるく吊るされているだけだった。つまり、ごく簡素な検問所だったわけ。それでも指揮官ぽい人物が新調した制服を身につけている姿を見て、一瞬だけ「あ、この人なら行政上何か判断できる権限あるかもしれない」なんて期待してしまった。でも——いや話逸れるけど、新品の制服着てるからと言って必ずしも偉いとは限らないよね……ごほん、本題戻そう。
そこから十分ほどかな、周囲から意見が飛び交ったり指差し合戦になったり、ごちゃごちゃした議論が続いた末、「ビザは有効」と最終的には認めてもらえた。それまでピリピリして担当していた若手職員が今度は合図を送りながら私だけ呼び寄せて話そうとしてきた。「ああ~これは賄賂要求パターン?」と一瞬身構えたりした。しかし結局その要求自体は来なくて、「パスポートを渡してください。」と言われただけだった。不思議な安堵感と拍子抜け……まあ、生ぬるさというべきか。

ひも一本に守られる交通秩序と酔っぱらい老人の短い悲喜劇
私は今からそれらにスタンプを押しに行く。なんか、すごい面倒な気分だったけど、ま、そういうもんだよね。
「どこへ?」と聞かれてちょっとだけ考えたけど、「国境だ」と返した。それだけ。
詳細は…まあ別にどうでもいいや、って感じだった。彼が本当にその仕事をやるつもりでいる、それだけで十分だったし。でもうーん、なんとなく不安が残ったりするの、不思議だな。
「司令官にガソリンのことを言っているのを聞いたけど、給油するお金は持っているの?」誰かがそう聞いてきて、意外と現実的な質問で一瞬現実に引き戻された。ああ、それが受け入れられる申し出っぽく感じたんだよね。でも違った。
「いや、いや!」彼は困ったような顔になって、「何もいらないよ」と言い切った。その時の沈黙が妙に重かったような気もして…。
実際には私はパスポートがまた失われるのを避けたい気持ちしかなくてさ。彼が私たちの来た道を1時間もかけて戻ってスタンプ押して帰ってくる、その必要性だけ頭でぐるぐる回ってた。本当なら自分で行きたいくらいだったけど、マイクと相談した結果――これ大事なんだろうか、と一瞬脇道に逸れつつ――結局彼にパスポート預けてバイク後部座席で同行してもらうことになった。
自分は検問所で長時間働いていたモトタクシー運転手への支払い要員として残留決定。この運転手たちは朝からずっと拘束されるとは思っていなかったみたいだから、本当に早く帰してやりたいと思ったんだ。でも本音を言えば、自分だって竹製ベンチで過ごす長い熱っぽい1時間は嫌だったよ。
暇すぎて車両運転手と検問所ゲート管理者との微妙なやり取りばっか観察して過ごしてしまった。その様子がおもしろかった…と言いつつ途中ウトウトしかけたりした。ま、それでも目新しいものには敏感になるものなんだよね、不思議とさ。
「どこへ?」と聞かれてちょっとだけ考えたけど、「国境だ」と返した。それだけ。
詳細は…まあ別にどうでもいいや、って感じだった。彼が本当にその仕事をやるつもりでいる、それだけで十分だったし。でもうーん、なんとなく不安が残ったりするの、不思議だな。
「司令官にガソリンのことを言っているのを聞いたけど、給油するお金は持っているの?」誰かがそう聞いてきて、意外と現実的な質問で一瞬現実に引き戻された。ああ、それが受け入れられる申し出っぽく感じたんだよね。でも違った。
「いや、いや!」彼は困ったような顔になって、「何もいらないよ」と言い切った。その時の沈黙が妙に重かったような気もして…。
実際には私はパスポートがまた失われるのを避けたい気持ちしかなくてさ。彼が私たちの来た道を1時間もかけて戻ってスタンプ押して帰ってくる、その必要性だけ頭でぐるぐる回ってた。本当なら自分で行きたいくらいだったけど、マイクと相談した結果――これ大事なんだろうか、と一瞬脇道に逸れつつ――結局彼にパスポート預けてバイク後部座席で同行してもらうことになった。
自分は検問所で長時間働いていたモトタクシー運転手への支払い要員として残留決定。この運転手たちは朝からずっと拘束されるとは思っていなかったみたいだから、本当に早く帰してやりたいと思ったんだ。でも本音を言えば、自分だって竹製ベンチで過ごす長い熱っぽい1時間は嫌だったよ。
暇すぎて車両運転手と検問所ゲート管理者との微妙なやり取りばっか観察して過ごしてしまった。その様子がおもしろかった…と言いつつ途中ウトウトしかけたりした。ま、それでも目新しいものには敏感になるものなんだよね、不思議とさ。
ハンコ押され解放、余韻に歩いた数キロ先でやっと笑う
その小さくてほつれかけた紐――何だろう、じっと見ていると自分でも意味がよく分からなくなるんだけど、車輪付きの乗り物すべてにとっては、親しげな会話だとか握手だとか、時には親指と人差し指の間でぐしゃっと折りたたまれたリベリア通貨のやり取りを省略できないための、妙な障壁だった。うーん、ときどきこういう形而上めいたものに気を取られてしまう。本題に戻ると…ある日ね、年配で酩酊した男性がふらふらと現れて、私の前に立ち塞がった。正直、彼が何を言いたいのか全然理解できなかった。指揮官が怒鳴ると、その部下二人――いつも同じ顔ぶれだ――が彼をあっさり道路へ放り出してしまった。なんというか、その瞬間は少しかわいそうにも思えたけど、一方で、自分がその場から解放されたことに安堵した自分も確かにいた。ま、いいか。
一時間後くらいかな、マイクがようやく戻ってきた。彼は明らかに疲弊していたけど、「問題ない」と目で合図してきた。その後、私たちはスタンプを押されて無事に先へ進む許可を得た――ああ、それだけで胸の奥がほんの少し軽くなった気がした。フォヤの町まではあと数キロ残っていたけど、もうバイクタクシーには乗らず歩くことに決めた。一歩一歩、小さな達成感みたいなものを感じながら進んだ。この三時間にも及ぶ国境での煩雑な手続き、それ自体がもう充分愉快と言える奇妙な体験となった。不安と滑稽さ、この両方が混在する瞬間だった気もする。いや、本当にこういう出来事こそ旅というものが生み出す物語なのだろう。
グローブトロッターズ編集者JoAnn Ryan氏、それからAnne Bonfert氏やMichele Maize氏、およびKrasi Shapkarova氏にも深甚なる感謝を捧げたい。そして他の記事について興味あるならBrad Yonakaのプロフィールも覗いてみてほしい。……あっ、ごめん脱線した。
この記事は2024年および2025年、西アフリカへの二度の旅について綴ったシリーズ作品の一部です。それまでの記事(時系列順ではない)は次となります:
>**West Africa**
一時間後くらいかな、マイクがようやく戻ってきた。彼は明らかに疲弊していたけど、「問題ない」と目で合図してきた。その後、私たちはスタンプを押されて無事に先へ進む許可を得た――ああ、それだけで胸の奥がほんの少し軽くなった気がした。フォヤの町まではあと数キロ残っていたけど、もうバイクタクシーには乗らず歩くことに決めた。一歩一歩、小さな達成感みたいなものを感じながら進んだ。この三時間にも及ぶ国境での煩雑な手続き、それ自体がもう充分愉快と言える奇妙な体験となった。不安と滑稽さ、この両方が混在する瞬間だった気もする。いや、本当にこういう出来事こそ旅というものが生み出す物語なのだろう。
グローブトロッターズ編集者JoAnn Ryan氏、それからAnne Bonfert氏やMichele Maize氏、およびKrasi Shapkarova氏にも深甚なる感謝を捧げたい。そして他の記事について興味あるならBrad Yonakaのプロフィールも覗いてみてほしい。……あっ、ごめん脱線した。
この記事は2024年および2025年、西アフリカへの二度の旅について綴ったシリーズ作品の一部です。それまでの記事(時系列順ではない)は次となります:
>**West Africa**