ウジュホロドの静かな生活：戦時下のウクライナでの現実と日常

ウジュホロド、スロバキアとの国境に位置するウクライナの街で、今は午前3時です。中心部のバルコニーから見える光景は静寂そのもの。ほとんどの家の明かりが消えていて、通りには誰一人としていません。この恐ろしいほどの静けさは、西洋の町では冬でもあまり体験できないものです。車も見当たらず、音も聞こえません。下にある交差点では、街灯が黄色く点滅しながら影を長く引き伸ばしています。その音は百メートル離れた場所でも聞こえ、リレーが切り替わる「クリック」という音が微かに響いています。

夜空には星々が美しく瞬き、その中に浮かび上がる静寂感が心を打ちます。遠くで川の流れる音や虫の鳴き声が耳に届き、この場所特有の穏やかな雰囲気を醸し出しています。しかし、人々の日常生活はこの戦時下でも続いており、小さな出来事や温かな交流も生まれています。こうした営みは、この厳しい状況にも関わらず、人間らしさを感じさせてくれます。このような風景と共に、生きる力強さを改めて実感します。

ウクライナ全土で深夜に施行されている外出禁止令が今も続いています。その理由を無視できれば、その影響は意外と心地よいものです。「眠らない街」という概念は、私にはあまり魅力的に思えません。時折、ネット上で中国の都市がネオンや電光掲示板で輝く様子を見ることがありますが、それはまるで『ブレードランナー』の世界のようです。それを見せる人々は、中国が進んだ国だと示そうとしているのでしょうが、私にはそれが地獄のように映ります。「先進文化」と聞くと、私は心地良いデンマークやアイスランド、あるいは北欧の村々を思い浮かべます。そこでは空気もきれいで、暖かく柔らかな光に照らされた通りがあり、人々は24時間広告によって攻撃されることもありません。今、このウジュホロドという町は静まり返っています。たとえ私一人だけ起きていたとしても、その静けさを楽しんでいます。

私たちは3日前に7ヶ月ぶりにウクライナに戻りました。そして町についた最初の日に会ったのがオレナでした。彼女はメカニックショップのコンタクトです。昨夏こちらに住んでいた頃によくお店を利用していたので、オレナさんやそのご主人とも親しくなりました。

私たちの車が再び彼女の手に渡ることを知っていたせいかもしれませんが、やはり懐かしい顔を見ることができてよかったです。次に会ったのはサーシャで、彼は私たちがRV生活を楽しんでいる間、車を保護された駐車場に置かせてくれていました。車を受け取ったとき、すぐにエンジンがかかったものの、バッテリーは交換が必要で、前輪にはパンクがありました。その修理には近くの「シノモンタージュ」（タイヤ店）で5ドルしかかからなかったです。

ウクライナの経済と言えば、私はタイヤ店、薬局、花屋、公証人事務所の四種類のお店から成り立っているような気がします。これらのお店は文明を維持するためには少々多すぎるようにも思えます。一方でウジュゴロドにはマクドナルドが一軒あるだけで、それも十分だと思います。

タイヤ店についてですが、その理由はまずウクライナでは冬用と夏用のタイヤを交換する習慣がありますし、多くの場合アメリカよりも頻繁にパンクすることです。この三年間で経験したパンクの数はアメリカで30年運転してきた中でもっと多いですね。ここでは建設工事が盛んに行われていて、その結果として散乱した釘やネジも原因になっています。それに加えて、小規模ビジネスとしてのタイヤ店は地域経済にも大きな役割を果たしており、新しい雇用機会を生み出しています。使用されるタイヤ素材も環境への配慮や耐久性など重要な要素となっていて、それによって顧客満足度にもつながっています。また、小規模ビジネス同士がお互いに信頼関係を築くことでコミュニティ全体にも良い影響を与えているのでしょうね。

それか、釘やネジはすべてタイヤ店業界を支えるための秘密の陰謀なのかもしれません。まだ結論は出ていませんが、公証人については理解できます。ウクライナでは多くの小規模ビジネスや取引が行われており、小さなビジネスに基づいた経済が成り立っています。このため、彼らは一晩で数百ものドローン工房を作り上げることができるのです。一方で、ドローンを開発するにはドイツやアメリカでは何年もかかりますが、ウクライナでは200種類以上のバリエーションがあります。小企業は自分たち専用の弁護士を雇う余裕がないため、公証人を利用します。ウクライナにおける公証人はアメリカとは異なり、公証人になるには法律に関する専門的な訓練と認定が必要です。また、花屋も理解しやすい存在です。ここでは花が日常生活で非常に重要な役割を果たしていますからね。誕生や亡くなった方への供花、誕生日、新しい仕事の祝いなど、本当に無限とも言えるほど多くの機会があります。そして、お見舞いや訪問時にも花を贈る文化があります。しかし薬局については、正直よくわからないところがありますね。

ウクライナの薬局では、医薬品や血圧計などの少数の医療機器しか販売していません。アメリカの「ドラッグストア」のような存在ではないんです。ここには薬局が多すぎると思います。「15分都市」という概念は理解できますが、時には同じブロックに4、5軒も薬局があることがあります。その理由は何でしょう？今いる場所の地図を見てみると、赤い点が全て薬局を示しています。本当に驚くべき状況です。近くに病院があるからかもしれませんね。

ウジュホロドの「旧市街」は、実際には多くの人々にとって馴染み深い場所です。### 日常生活 ウクライナの女性たちが花をたくさん受け取る一方で、男性たちは厳しい状況に置かれています。最近、ウジュホロドのレストランで徴兵センターによる襲撃がありました。このような公共の場にいることは、徴兵を避けようとする男性にとってリスクがあります。ほとんどの男性は、この街から出られず、国を離れることも難しいです。道路にはチェックポイントが設けられており、通過する全員の徴兵書類が確認されます。そのため、多くの人が徴兵されるリスクを冒したくないと思っています。

徴兵の例外がある人々、例えば医療上の理由や戦争経済において不可欠と見なされる職業に就いている場合でも、旅行をためらうことが多いです。徴兵から免除される職業の定義は狭まってきています。最近では、賄賂を受け取って免除証明書を発行した徴兵官たちが逮捕され、起訴されています。一部の男性は在宅勤務でほとんど外出せず、多くはリスクを抱えています。これは戦争の厳しい現実です。

ウジュホロドでは男性たちが公共の場に出て働いたり買い物をしたり子供を保育園に連れて行ったりする姿も見かけます。そのため、状況は言われているほど悪くないかもしれません。「レストランでの急襲」は平和的に進行し、人々は強制的にバンに引きずられることなく、自らの意思で赴いたと言えます。それでも心情的には複雑な部分があります。

このような出来事に対する公衆の反応を測るのは難しいですが、報道された襲撃についてのTelegram投稿で最も多く「いいね」を獲得したコメントは、ウクライナ語で書かれたものから始まっています。「もう長い間待っていた。」、「カジノも忘れないで、そこにも逃げている人がもっといるよ！」、「東で誰かが命を懸けている間に遊んだり飲んだりしている人たち！」、「ここ3年も前線を見ていない‘リクルーター’はどうなる？」と続きます。一方、ロシア語では「ファシスト。」や「動物。」そして「クソ野郎。」というコメントが目立ちました。

ウジホロド市内の不動産賃貸物件は、戦争前よりもかなり高騰しています。この街は、戦争による直接的な影響を受けておらず、ミサイルやドローンがここまで到達することはありませんでした。理由としては、この市がスロバキア国境からわずか20キロほどの距離にあるため、一つのミスでNATO領域に侵入してしまうリスクがあるからです。国境は、市の限界線沿いに走っています。

ウジホロドの近隣村では、賃貸価格はもっと手頃です。例えば、10,000ドルで手入れが行き届いていない三部屋の村家を購入できたり、80,000ドルでヨーロッパスタンダードに基づいた現代的な二階建てや三階建ての家を手に入れたりすることができます。また、「アメリカンカ」スタイルの平屋を1エーカーあたり45,000ドルで依頼したり、自分で土地を購入して家を建てることも可能です。

少し遠くに行けば、価格は距離とともに下がることがあります。私が見た中で一番安かったのは、山の上にある古い伝統的なスタイルの家で、10エーカーの土地付きで500ドルでした。最寄りの都市までは荒れた道を3時間かけて行かなければなりません。今日は、新しい家に引っ越す日です。この家には1年ほど住む予定ですが、それ以上になるかもしれませんね。ワシントンDC郊外の2ベッドルームアパートの半額で、2階建て、大きなパティオと石造りのバーベキュー、広々とした3つのベッドルームがあります。中心地からは離れていますが、中心近くです。私はウクライナ版ローズ（Epitsentr）にもっと近い場所を希望していましたが、妻は保育所を考えていました。妥協ですね。それがウクライナ生活2日目で感じる現実です。