台湾で「迷子になる」ということ
最近、台湾旅行のこと思い出してたんだけど、なんていうか、「迷子になる」って感覚、面白いよね。間違ったバスに乗っちゃったり、正しいバスだけど逆方向だったり…。まあ、私の場合はその全部だったんだけど(汗)。
正直、あんまり思い出したくない記憶。知らない土地で完全に孤立する感じ…わかるかな。言葉も通じない、スマホの地図もなんだか信用できない。頼れるのは自分と、だんだん減っていくバッテリーだけ。あの時は本当に焦ったな。
でも、そういう予期せぬ回り道があったからこそ、ただの観光じゃない、何か別のものが見えた気もするんだ。特に、台北の「クリエイティブ」な側面に触れた時とかね。
最初に結論:台湾は「食」と「歴史」だけじゃない
多くの人が台湾って聞くと、小籠包とか夜市、あとは台北101とか故宮博物院を思い浮かべると思う。もちろんそれも最高なんだけど、私が今回、心を掴まれたのは、もっと静かで、でも確かな熱量を持った「デザイン」と「アート」のシーンだった。それは、古い建物が新しい息吹を吹き込まれた場所だったり、歴史的な広場の意味が変わる瞬間だったり…。
カラフルな奇跡、レインボービレッジ
台中にある、あの有名な「彩虹眷村(レインボービレッジ)」。朝早く行って観光客の波を避けようと思ってたのに、例の迷子のせいで着いたのは昼前。計画通りにはいかないもんだね…。
ここはもともと取り壊される予定だった軍人向けの村。それを、一人のおじいさん(黄永阜さん)がペンキで家々に絵を描き始めたのがきっかけ。近くの大学の学生がその活動を見つけて、村を保存しようって運動が起こったんだって。
実際に立ってみると、その歴史が肌で感じられる。すぐ隣には普通の公園があって、遠くには新しい高層ビルが建設中。その中で、ここだけが時が止まったみたいにカラフルで。正直、モネやゴッホみたいな高尚なアートじゃない。技術がすごいわけでもない。でも、すごく楽しい。この色彩が、ブルドーザーを止めたんだなって思うと、なんだかグッとくるものがある。
台北の文創園区、どっちに行く?
もしまた台湾に行くなら、今度は丸3日くらいクリエイティブパーク巡りに使いたい。台北には、古い工場なんかをリノベーションした「文創園区」っていうのがいくつかあって、そこがすごく面白かったんだ。
特に有名なのが「松山文創園区」と「華山1914文創園区」。どっちも元工場っていうのは同じだけど、雰囲気が全然違う。どっちに行こうか迷う人もいると思うから、個人的な感想をまとめてみた。
| 比較ポイント | 松山文創園区 (元タバコ工場) | 華山1914文創園区 (元酒造工場) |
|---|---|---|
| 雰囲気 | もっと落ち着いてる感じ。デザイナーのオフィスとかもあって、プロ向けというか。 | こっちはイベント会場って感じ。週末はめっちゃ賑やか。 |
| おすすめな人 | デザイン雑貨とか、ギャラリーをゆっくり見たい人。一人で静かに散策するのもいいかも。 | 特定のイベントやライブ、没入型展示が目当ての人。家族連れも多いかな。 |
| ショップや展示 | 台湾デザイン館とか、誠品生活とか。質の高いセレクトショップが多い印象。 | 期間限定のポップアップストアやキャラクターの特別展が多い。体験型のアートとか。 |
| 個人的な一言 | 「デザインの今」を知りたいならこっち。ちょっと背伸びしてインスピレーションもらう場所。 | もっと気軽に楽しめる。インスタ映え狙いなら絶対こっち(笑)。 |
松山のミッションに「日常の美意識とデザイン認知の象徴的な指標になる」って言葉があって、すごく刺さった。デザインって、美術館に飾られてるものだけじゃないんだよね。今座ってる椅子も、使ってるスマホのロゴも、誰かがすごく考えてデザインしたもの。そういう「日常にあるデザイン」を感じられるのが、こういう場所のいいところだと思う。
ただの記念館じゃない場所、中正紀念堂
台北に戻って、中正紀念堂にも行った。すごく巨大で、真っ白な建物と青い屋根が印象的な場所。普通は、蒋介石を記念する場所として知られてるよね。台湾政府の公式な説明も、だいたいそんな感じ。
でもね、ここでもう一つの顔を見たんだ。建物の内部に、この目の前の「自由広場」で行われた数々の民主化デモの写真が壁一面に展示されてて。ひまわりを掲げる学生たち、座り込む人々…。BBCとか海外メディアが報じた「ひまわり学生運動」なんかの歴史が、まさにこの場所で起こったんだって。その事実を知ってから広場を見ると、全然違って見える。
権力者のための記念碑的な建物の中で、その政府に対する人々の抵抗の歴史を展示してる。この懐の深さ、すごくない?権威の象徴だった場所が、今では市民の自由の象徴になってる。この変化こそが、台湾の面白いところだなって思った。
【代わりの癒やし】猫村の代わりに、猫カフェへ
本当は有名な「猴硐(ホウトン)猫村」にも行きたかったんだけど、ちょっと遠くて断念。その代わりに、台北市内の猫カフェをいくつか巡ってみた。
行ってみて思ったのは、猫は…まあ、猫だなってこと(笑)。当たり前だけど。人懐っこい子もいれば、エサの時だけ寄ってくる子もいるし、ほとんどの子は私たちがガヤガヤ入っていってもお構いなしに寝てる。でも、それがいいんだよね。
猫の愛は、努力して勝ち取るもの。信頼を勝ち取るもの。無理やり変えようとしたり、支配しようとしたりしないで、ありのままを受け入れる。そういう詩を読んだことがあるけど、本当にその通りだと思う。こっちがお金を払って会いに来てるからって、彼らが媚びを売る必要なんて全然ない。その気まぐれさも含めて、癒やされた時間だったな。
それで、あなたはどう?旅先では、華やかでエネルギーに満ちた場所が好き?それとも、静かに物思いにふけれるような場所が好き?もしよかったら、あなたの好みも教えてほしいな。
