3Dプリンター住宅が40万ドルで実現:2025年の建設業界における製造コストと工期の変化

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最近、面白いニュースを見かけて、ずっと頭から離れないんですよね。アメリカで、家を「印刷」するって話。そう、3Dプリンターで。で、その価格がだいたい40万ドル…日本円にすると、えーと、今のレートだと6000万円とか、それくらい?正直、高いな!って思ったんですよ、最初は。だって、機械が自動でやるなら、もっと安くなるんじゃないの?って普通思いますよね。

でも、調べていくうちに、あ、そういうことか、と。これは単なる技術の話だけじゃなくて、これからの家の建て方とか、暮らし方そのものを変えちゃうかもしれない…そんな大きな話なんだなって気づいて。今日はそのへんを、僕が今考えてることを含めて、ちょっと話してみようかなと思います。

【結論から言うと】家は「買う」から「印刷する」時代へ、でも道のりはまだ長い

はい、もういきなり結論です。3Dプリンターで家を建てる技術は、マジで本物です。おもちゃじゃない。ただ、今すぐ誰もが格安でマイホームを手に入れられる…っていう魔法の杖では、まだない。特に、僕らが住んでるここ、日本では、アメリカの事情とはまたちょっと違うみたいで。そのへんの違いが、実は一番面白いポイントだったりします。

そもそも「3Dプリント住宅」って、一体どんな家なの?

よく聞かれるんですけど、3Dプリンターの家って、なんかプラモデルの家みたいにペラペラなんじゃないの?って。全然違います。あれ、巨大なケーキのデコレーションを想像してもらうと、一番わかりやすいかも。

巨大なアームの先についたノズルから、にゅーっ…と特殊なコンクリートみたいな素材が出てきて、それが一層一層積み重なって、壁になっていく。設計図通りに、機械が寸分の狂いもなく壁を描いていく感じ。すごい精密だし、意外と…いや、かなり頑丈なんですよ。

素材は、速乾性の高い特殊なコンクリートが主流ですね。でも、最近はリサイクルプラスチックとか、現地の土を混ぜたエコな素材を研究してるところもあって、これもまた面白い動きです。

夜明けと共に稼働する巨大3Dプリンター
夜明けと共に稼働する巨大3Dプリンター

なんで6000万円もするの?ロボットが作るなら安いはずじゃ…?

これ、冒頭でも言った僕の最初の疑問。でも、冷静に考えればそりゃそうかっていう。家の値段って、建物本体だけじゃないんですよね。

考えてみてください。まず、家を建てるための「土地」。これは当然、プリンターじゃどうにもならない。日本だとここが一番高いかもしれない。

それから、壁を印刷した後の作業。電気の配線、水道管、屋根、窓、ドアの取り付け…こういうのは、まだ人の手が必要なんです。キッチンやお風呂なんて、まさにそうですよね。まだシンクを印刷するわけにはいかないから(笑)。

あとは、見過ごせないのが役所の手続き。建築確認申請とか、いろいろな許可。こういう事務作業は、家がどうやって作られようと、なくならないわけです。むしろ、新しい技術だからこそ、説明に時間がかかったりして、余計に大変な部分もあるかもしれない。

つまり、壁を作る時間と人件費は劇的に安くなるんだけど、それ以外のコストは普通にかかる。だから、トータルで見ると「ゼロが一つ少なくなる!」みたいな劇的な安さには、まだならないんですね。

アメリカと日本の「3Dプリント住宅」は、実は全然違うモノだった

ここが一番大事なポイント。僕らがニュースで見る「3Dプリンターで家!」っていうのは、実は大きく分けて2種類あることに気づいたんです。で、これがアメリカと日本の状況の違いをくっきり見せてる。

ちょっと比較表にしてみました。僕の解釈マシマシですけど。

比較ポイント アメリカ型 (ICONとか) 日本型 (セレンディクスとか) 従来工法 (木造とか)
コンセプト 普通の家を、もっと速く、強く。住宅不足の解決策として本気で考えてる感じ。 まずは小屋とか、法律の制約が少ない小さいものから。実験的で、未来への一歩って感じが強い。 まあ、いつものやつですね。安心感はあるけど、時間がかかるし高い。
価格帯のイメージ 40万ドル(約6000万円)~。土地とか全部含めて、普通に家を買う感じ。 本体価格は300万~550万円とか。でも、これは「小屋」の値段。住むには土地とか色々プラスでかかる。 ピンキリだけど、注文住宅なら数千万円は普通にしますよね。
工期 壁の印刷は数日。すごい。でも全体の工事はやっぱり数週間から数ヶ月かかる。 印刷は24時間以内とか。超速い。小さいからっていうのもあるけど。 半年とか、一年とか。天気に左右されるし、まあ、待つのが普通。
主な課題 「本当に大丈夫?」っていう人々の意識を変えること。あと、州ごとのバラバラな建築ルール。 日本の厳しい建築基準法。特に耐震性。これをどうクリアするかが最大の壁。だから小さいのからやってる。 職人さんの高齢化と人手不足。これがマジで深刻。コストが上がる一方。
個人的な感想 パワフルで、いかにもアメリカンドリームって感じ。実用化への本気度がすごい。 賢いやり方だと思う。石橋を叩いて渡る日本らしい進め方。将来性はめっちゃ感じる。 なんだかんだで、まだしばらくはこれが主流なんだろうな、という安心と諦め。

ね、こう見ると全然違うでしょ?

アメリカ、特にテキサスのICONっていう会社は、もう普通に人が住むための家をどんどん建ててて、低所得者層向けのコミュニティとか、災害支援とか、もう社会課題の解決策として動いてる。NASAと一緒に火星の基地作る実験とかもしてて、スケールがでかい。

一方で、日本のセレンディクスみたいな会社は、まず10平米以下の「小屋」からスタートしてる。なんでかっていうと、日本の建築基準法では、そのサイズなら確認申請とかのハードルが低いから。耐震性とか、クリアしなきゃいけない基準がすごく厳しいんですよね、日本は。だから、まず実績を作って、安全性を証明して、ちょっとずつ大きい建物に挑戦していくっていう、すごく堅実な戦略。

だから、アメリカの40万ドルの家と、日本の300万円の家(小屋)を単純に比較して「アメリカは高くて、日本は安い!」って言うのは、ちょっと違うんだなって。目指してるものが、現段階では違うんですよね。

アメリカと日本の3Dプリント住宅の対比
アメリカと日本の3Dプリント住宅の対比

じゃあ、メリットって「速さ」だけなの?

速いのは、もちろんとんでもないメリットです。工期が短いってことは、人件費が減るし、悪天候で工事が遅れるリスクも減る。でも、それだけじゃない。

意外と「エコ」なんですよ。

普通の建築現場って、木材の切れ端とか、資材の無駄が大量に出るんです。でも3Dプリンターは、設計図にある分しか材料を使わないから、ほとんどゴミが出ない。それに、現場に何台もトラックが資材を運び込む必要が減るから、CO2排出量も削減できる。

あと、デザインの自由度が高いのも面白い。壁を曲線にしたり、ちょっと変わった形にしたりするのが、従来工法よりずっと簡単。断熱材を壁の中に一緒に充填したりもできるから、結果的に夏は涼しくて冬は暖かい、省エネな家が作りやすいらしい。

よくある誤解と、知っておくべき「落とし穴」

ここまで良いことばっかり話してきたけど、もちろん課題もあります。というか、課題だらけとも言える。

まず、一番大きいのは「法律と規制の壁」。さっきも言ったけど、特に日本ではこれが大きい。今の建築基準法は、3Dプリンターで家を建てるなんてことを想定して作られてない。だから、この工法で建てた壁が、どれくらいの強度があって、地震に耐えられるのか…っていうのを、一つ一つ証明していかないといけない。これにめちゃくちゃ時間がかかる。

次に、「これって中古で売れるの?」っていう資産価値の問題。みんな、やっぱり新しいものが好きだけど、自分の家となると保守的になる。10年後、20年後に、この家がちゃんと「資産」として評価されるのか。ここが不透明だと、なかなか踏み切れないですよね。まあ、これは時間が解決するしかない問題かな。

あと、個人的に思うのは「デザインの限界」。自由な形が作れるとは言っても、今のところはやっぱり「コンクリートを積層した」っていう独特の見た目になる。あの横縞模様がカッコいいって思う人もいれば、なんか落ち着かないって人もいるはず。このへんの仕上げのバリエーションがもっと増えてこないと、広く受け入れられるのは難しいかも。

人間の手作業が加わる、仕上げの工程
人間の手作業が加わる、仕上げの工程

これからどうなる?未来の家は「レゴブロック」みたいになるかも

じゃあ、この先どうなっていくのか。僕の妄想も入ってますけど…。

たぶん、家全体を現場で一気に印刷するんじゃなくて、工場で「部屋のパーツ」をいくつか印刷しておいて、現場でガチャンと組み合わせる、みたいなモジュール式が主流になるんじゃないかな。レゴブロックみたいに。

そうすれば、家族が増えたら「もう一部屋プリントして、連結しよう」とか、子供が独立したら「その部屋は取り外して、庭を広くしよう」とか、そんなライフスタイルの変化に合わせた家のアップデートが可能になるかもしれない。これ、すごくないですか?

そして、そうなってくると、いよいよ日本の深刻な「建設業界の人手不足」問題の救世主になる可能性が出てくる。現場での作業が減って、危険な高所作業も少なくなる。若い人たちも「これなら面白そう」って入ってきてくれるかもしれない。

まあ、実現するのはまだ10年、20年先かもしれないけど。でも、家づくりの根本が、この100年くらい大して変わってこなかったことを考えると、今起きてることは間違いなく「革命」の始まりなんだと思います。

あなたなら、どっちを選ぶ?

もし、あなたが3Dプリンターで家を建てるとしたら、どっちに興味がありますか?

  • A: 多少高くても、家族でしっかり暮らせるアメリカみたいな「本格的な家」
  • B: まずは手頃な価格で、趣味の部屋や離れとして使える日本みたいな「小さな小屋」

理由と一緒に、ぜひ下のコメントであなたの考えを聞かせてください!

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