あの「友だちの家ショック」ってあるよね
なんかさ、友だちの友だちの家とか、義実家とか行ったときにたまにあるやつ。
そんなに広い家じゃないのに、妙におしゃれで、ホテルっぽくて、「ここに赤ちゃん放したら一瞬で破壊されるな…」っていうくらい整ってるあの感じ。
色味はだいたい、黒・白・ベージュ・グレージュ・濃いめの木。大きい窓から光が入ってきて、白い壁をふわっと照らしてて、なんかそれだけで「いい暮らし」感が出てる。
外の木がゆっくり揺れてるの見て、「うわ、こういうの毎日見てるんだ…」みたいな、ちょっとした人生観まで揺さぶられるやつ。
キッチンも「え、前来たときも十分きれいじゃなかった?」って思ってたのに、さらにリフォーム済みでピカピカ。なんか全体的に落ち着いてて、こだわり強そうで、「あ、この人ちゃんと稼いでるんだろうな…」って空気が漂ってる。
で、帰り道にふと我に返る。「うち、どっから手をつければいいんだろう…ていうか、お金ないんだけど」って。
家全体塗り直したいレベルで気になるけど、見積もり想像しただけで胃が痛い。そういうときの話。
で、トイレ行く途中にだいたい心が折れる
廊下歩いてて、ふと開いた寝室のドアから中が見えたりする。
天蓋付きっぽいベッドがどーんとあって(こういうのほんとに現実にある)、角にはランニングマシンがあって、「え、海外ドラマ?」みたいな光景。
豪邸ってほどじゃないのに、とにかく「整ってる」。家具のサイズ感も色もそろってて、余白もちゃんとあるから、実際の面積より広く見えるやつ。
そこからの、ベビールームね。
自分の家だと、オムツ替えなんて、ソファの上とか床にマット敷いてとか、ひざの上でパパっと済ませてるのに、そこではちゃんとしたチェンジングテーブルがあって、「ここ使って〜」って案内される。
正直、慣れてない高さと角度で、子どもは逃げるし、自分は腰痛いし、「うちじゃ絶対この設備生きないな」とか思いながらも、「でも、かわいいなこの部屋…」って、頭の片隅でメモしてる。
で、ふと止まる。「これ、自分の家でやるとしたら、どこからどう変えればいいんだろう?」って。
お金ないときほど「見方」を変えたほうが早い
ここで一回、深呼吸。
全部を一気に変えるには、正直お金がいる。でも「家の印象を変える」だけなら、そこまでの予算はいらないことが多いな、ってよく思う。
人が家に来たときに、ほんとに見てるのって、
- 清潔感があるか
- なんとなく落ち着くか
- 「いつもと違う場所だ」ってちょっとワクワクするか
このあたりなんだよね。
壁紙全部張り替えなくても、「今あるものの見え方」をちょっと変えるだけで、空気がだいぶ変わることがある。
お金カツカツなときこそ、「買い足す」より「直す」「減らす」「組み合わせ変える」がコスパよかったりする。
ってことで、ゆっくり一個ずつできそうなことだけ、拾っていく感じで見てみる。
まず、壊れてるものと「見るたびイラッとするやつ」から
これ、意外とやってない人多いけど、体感でいちばん効くやつ。
例えば、トイレの電気の紐。年季入りすぎて、ちょっと黄ばんでたり、先っぽが欠けてたりするやつ。毎日必ず触るのに、もう完全に「風景化」してて、意識はしてないけど、見るたびちょっとテンション下げてくる存在。
ああいうの、ほんとに「目の中の小さいゴミ」みたいな感じで、ずっと気分をじわじわ削ってくる。
ドアノブがガタついてるとか、タオル掛けが斜めになってるとか、引き出しが最後までちゃんと閉まらないとか。派手じゃないけど、地味にストレスなやつ。
お金ほんとにきつい時期は、「壊れてないものはとりあえず放置」でいいから、逆に「明らかに壊れてる」「明らかにみすぼらしい」ものだけ優先して直すと、体感の変化がめちゃくちゃ大きい。
パーツだけなら数百円で済んだりするし、中古サイトとかフリマアプリで、同じサイズのもの探せることも多いし。
フリマアプリとか、地域の譲渡グループとか、そういうところって、正直「宝探し」みたいなノリで見たほうが楽しい。
布を変えると、家のキャラが一気に変わる
テキスタイルって、わりとズルいくらいコスパがいい。
バスマット、タオル、クッションカバー、ブランケット、シャワーカーテン…このへんをちょっとだけ色そろえてあげるだけで、「なんとなくバラバラだった家」が急に「統一感あるっぽい家」に見える。
しかも、家具より圧倒的に安いし、気に入らなかったらまた変えられる。
例えば、
- 白+グレー+木っぽい色
- ベージュ+オフホワイト+リネン素材
- ネイビー+白+ちょっとだけ黒
みたいに、色を「3色くらい」に決めて、布ものをそこに寄せていくだけでもかなり違う。
バスルームなら、
- バスマットをふわふわ系から、竹とか木のマットに変えてみる
- タオルの色を全部白か同じトーンにそろえる
- カーテンがあるなら、シンプルな無地にする
こういうちょっとしたことで、「安いけど安っぽくない」ラインまでは持っていけたりする。
季節で香りを変えると「ちゃんとしてる感」が出る
匂いって、目に見えないのに、印象をほぼ半分くらい持ってくやつだと思ってて。
いい意味で「さっき掃除した?」って感じるのって、視覚よりも、実は鼻の仕事だったりする。
キャンドルとかディフューザーが一番わかりやすいけど、予算きついときは、アロマオイルをちょっとコットンに垂らして、トイレットペーパーの裏側とか、棚の奥にこっそり置くだけでも十分。
夏は柑橘系とか、ミント系とか、少しスッキリするやつ。冬はバニラとか、ウッド系、ちょい甘い系。
香りを季節で変えるだけで、「今、この家はこのモードです」って、空気のスイッチが切り替わる感じがある。
しかも、同じ家でも「飽きない」。
収納は「隠す」より「見せてもいい状態」にしとく
ごちゃごちゃして見える場所って、たいてい「収納がない」か、「収納はあるけど出し入れがめんどくさい」かのどっちかなんだよね。
で、全部隠そうとすると、結局どこか一箇所に「カオスゾーン」ができる。
それより、「出しっぱなしでも見た目がそこそこ整ってる」状態をつくるほうが、日常的には楽だったりする。
ガラス瓶とか、コーヒーの空き瓶とか、かわいいジャムの瓶とか、そういうのをとっといて、
- バスソルト
- ヘアゴム
- 綿棒・コットン
- 紅茶・マシュマロ・お菓子
みたいな細々したものを入れると、それだけでちょっと「ディスプレイっぽく」見える。
棚が少ないなら、縦長のチェスト(タンス)を一個置くだけでも、収納力と「ちゃんとしてる感」が一気に上がる。
あと、かごとトレイはほんと万能。
同じ種類のものをひとまとめにして、ポンって入れておくだけで、「ただ散らかってる」のと「そこに置くことにしてます」の差が出る。
掃除するときも、そのかごごと、トレイごと動かせばいいから、結局自分の手間も減る。
ちいさい「飾り」が空気を締める
大きい家具を変えなくても、「最後のひと押し」みたいなものは割と安く足せる。
例えば、
- バラバラのフックを、同じデザインのものにそろえる
- 観葉植物を一つだけ置く(本物でもフェイクでも)
- ポストカードサイズの小さいアートや写真を、一枚だけ飾る
このあたり。
壁を全部飾ろうとすると一気にお金かかるけど、「一箇所だけ、ちゃんとやる」だけでも印象って変わる。
家全体を完璧にしようとしなくてよくて、「ここは好き」って言えるスポットが一つ二つあれば、それでけっこう満足度が上がる。
鏡って、ただの実用品じゃなくて「光を増やす装置」
鏡を変えるのも、地味に効く。
形とか、フレームの有無とか、大きさとかで、部屋の雰囲気がだいぶ変わる。
今ついてるのが、よくある「縁なしで、壁にぺたっとくっついてるだけ」のやつなら、
- 丸い鏡にしてみる
- 木枠のフレーム付きにしてみる
- ちょっと縦長のものにしてみる
これだけでも印象が柔らかくなったり、天井が高く見えたりする。
表面に貼るタイプの鏡なら、ネジかコマンドフックでどうにかなることも多いし、工具苦手でもなんとかなる範囲。
バスパネル一枚で「全部やり直した感」を出す
お風呂場の話になるけど、浴槽の横の板(バスパネル)、あれが古びてたり、黄ばんでたり、膨らんでたりすると、一気に「全部くたびれて見える」んだよね。
逆に言うと、そこだけ変えると、「あれ?ここだけ新築みたいになった?」って錯覚が起きるくらい印象が変わる。
真っ白のパネルにすると、全体が明るく見えるし、木目調のやつにすると、ちょっとあったかい、ホテルスパっぽい雰囲気になる。
壁を全部張り替えるのは無理でも、「線として目立つところ」を変えると、意外と満足度が高い。
安くできる照明の「ちょい足し」
照明って、「明るければいい」と思いがちだけど、実は「どこからどう当たってるか」で、かなり印象が変わる。
もしお金をかけたくないなら、
- シンクの下
- 棚の下側
- テレビボードの裏
- ベッドの下
みたいなところに、安いLEDテープライトとか、電池式の人感ライトを仕込むのが現実的。
防水・防滴って書いてあるもの(パッケージに「IP44」とか「water resistant」って書いてあるやつ)を選べば、水回りでも使いやすい。
工事いらないから、貼るだけで終わるし、失敗しても貼り替えればいいだけ。
個人的には、色は「暖かい白」寄りにしておくと、肌も部屋もきれいに見えることが多い。カラフルなRGBも楽しいけど、落ち着きたい部屋にはあんまり向かないかも。
時間ができたら、とりあえず一回ちゃんと掃除してみる
正直、これがいちばん地味で、でもいちばん効くやつかもしれない。
模様替えとか買い替えの前に、「本気の掃除」を一回だけでもやってみると、意外と「これで十分かも」と思えることがある。
タイルの目地をこすって、鏡の水垢をちゃんと落として、棚の上のホコリを全部拭いて、蛇口をピカッとさせてみる。
ペンキ塗り替えより圧倒的に安いし、達成感もある。
何より、「今あるものの本来の姿」が見えるから、「ほんとに変えたいのはどこか」が見分けやすくなる。
で、全部やらなくていいから、「一個ずつ」でいい
ここまでいろいろ書いたけど、全部一気にやる必要はなくて。
むしろ、一個ずつでいい。
今日は電気の紐だけ替える。今週はタオルだけそろえる。今月は鏡を新しくする。
そんなペースで全然いいと思う。
少しずつ変えていくと、自分の中の「この家、わりと好きかも」って感覚がじわじわ育ってくるし、人が来たときに褒められたら、それがまた次のやる気になる。
| やること | お金のかかり方(ざっくり) | 体感の変化 |
| 壊れてるところ直す | パーツ代くらい。数百〜数千円で終わることが多い | 「イラッとポイント」が消えるから、地味にストレス減る |
| タオル・マットをそろえる | セール狙えばそこまで高くない、でも一気にそろえるとそれなり | 写真に撮りたくなるくらい「整って見える」ようになる |
| 香りを変える | アロマオイル数滴レベルならかなり安い | 入った瞬間の「印象」がガラッと変わる |
| 収納を「見せてもいい状態」にする | 瓶やかごを少し買い足すくらい。家にあるもので済むことも | 散らかってても「ちゃんと置いてあるだけ」に見える |
| 照明をちょい足し | LEDテープや人感ライトは意外と安い。電気工事ゼロ | 夜の雰囲気が一気に「お店っぽい」「ホテルっぽい」になる |
| 本気の掃除 | 洗剤とスポンジ代くらい。時間のほうがコスト高い | 「こんな色だったっけ?」ってくらい、元の良さが戻る |
正直なところ、自分の家に求めすぎなくていい
SNSとかで、完璧にスタイリングされた部屋の写真を見慣れすぎてて、「普通の家」に対してのハードルが上がりすぎてる気もする。
でも、家って本来「暮らす場所」であって、「見せるためのセット」じゃないはずで。
床におもちゃ転がってる日があってもいいし、洗濯物がソファの上に積まれてる日があってもいいし、キッチンカウンターが一時的にカオスな日があっても、別にそれで人生の価値が下がるわけじゃない。
ちょっとだけ手をかけて、自分が「ここ、好きだな」って思えるポイントを増やしていければ、それで十分なんじゃないかな、って思う。
誰かの家と比べて落ち込むより、「今日ひとつ、なんか整えた」で終われたら、それでかなりえらい。
もしよかったら、今の家で「ここだけはちょっと気に入ってる」って場所、ひとつ思い浮かべてみてほしい。その場所を、もう一歩だけ好きにするために、何を足すか・何を減らすか、考えてみるところからで十分だと思う。
