アートの未来が揺れる？Artscapeの意外な変化と地域の声

今年のアートスケープ、なんだか色々と様子が違うみたい。新しい開催日もそうだけど、それ以外にも細かい変化がちらほら。今回のフェスティバルは、今までとはちょっと違って、場所も話題になってるし、新しいリーダーの下で雰囲気も変わりつつあるとか。なんでも、今回はメモリアルデーの週末に移動したらしくて、ジョーンズ・フォールズ高速道路の高架下が会場になるみたい。その柱には新しい壁画が描かれていて、「ここがこれからの拠点」みたいな感じを出しているそう。

主催者たちは、この移転によってダウンタウンに少し活気を取り戻せたら良いな、と考えているようだ。「アートスケープは元々マウントバーノンで始まったんですよね。MICAやライリック劇場、それからBSOなんかがフェスティバルの中心だったから、その地域への影響も大きかったんです」とトーニャ・ミラー・ホール氏（市長オフィスでアーツ＆カルチャー担当）もちょっと懐かしそうに語っていたらしい。どうやればフェスティバルという仕組みで場所を変えたり、コミュニティに持続性を生み出せるかな…という発想で、特にダウンタウンやファーマーズマーケット周辺は何となく元気が足りない印象だった、と。

ただ実際には、会場準備中にテント生活していた人たちがそのエリアから移動させられる出来事もあったよう。でも市側は「イベント準備と直接関係ない」と説明しているとか。ただ、本番直前になっても課題はいくつか残っているらしいんだよね。例えば急な出演キャンセルが相次いだとかで、一部のアーティストたちにもまだ情報が十分届いていない状態っぽい。それと、小規模なビジネス…ステーションノース界隈のお店は、以前ならフェス開催中に売上アップを期待できたけど、今回はそれも難しくなる見込み。

あと、高架下へ会場を移すことで日曜恒例だったボルチモア・ファーマーズマーケットも休止になるんじゃないか、と言われている。このあたり、良くなる面ばかりではなくて、人によって受け止め方はいろいろありそうだなぁ…。

フェスティバルの開催地周辺で、住む場所がなかった人たちのテント村が片付けられたという話もある。市はイベント準備のためではないと説明したものの、本当のところはよくわからない。伝統を動かすことで摩擦が生じることについて、ミラー・ホールさんもそれなりに意識している様子。でも、彼女自身としては芸術祭がもっと広い影響を持つ時期なのかもしれない、と考えているみたい。「これから先のボルチモアを、もう少し自由な発想で捉えてみては？」そんな投げかけをしていた。「このフェスって、やっぱり好きな人多いし、ずっとステーション・ノース地区で続いてきた歴史もある。ただ…愛情をもう少し分け合うようにして、新しい場所でもアートと出会えるようになればいいんじゃない？ 他のエリアにもアーティストの活動が広がったら面白いと思う」と。

昔から、このイベントは七月ごろに行われていた気がする。しかも毎回と言っていいくらい、その年で一番暑い三日間にぶつかってた印象だ。今年は気温が多少落ち着くことへの期待もあって、開催時期を五月下旬―メモリアルデーウィークエンド―に移すことになったそうだ。

もう四十年以上続いているこの野外芸術祭、日本語で言えば「数万人規模」の観客を集めてきた。でも初めて、市庁舎そば―ジョーンズフォールズ高架下あたりとかイーストサラトガ通り・ホリデイ通りあたり―つまりダウンタウンに場所を変えるらしい。それまではマウントヴァーノンやステーションノース、それからボルトンヒルなんかで開催されていた。この会場変更によって、例年四月半ばから十二月ごろまで日曜ごとに開かれていたファーマーズマーケット（高速道路の下）も、その週末だけお休みになるとか。

写真には今年の芸術祭で並ぶ屋台や買い物客も写っていた。カメラマンはマイルズ・ミシュラン氏だったかな…ちょっと記憶違いだったらごめんなさい。

バルチモアのプロモーション＆アーツ事務所が、二十年近くこのフェスティバルを担当してきたとか。でも去年の秋頃に、市から契約を終了すると発表されたようで。どうやら今年は、ブランドン・スコット市長が打ち出したダウンタウン・ライズという取り組みの一環で新しい形になるらしい。進行中の再開発と関係あるみたい。

アートスケープ自体も、いくつか新しい試みが加わっているそうだ。例えば「スカウト・アートフェア」っていうイベントは、ビジュアルアーティストでパフォーマーでもあるデリック・アダムズさん、それからボルチモア・ビートのTeri Henderson氏がキュレーションしているとのこと。ここでは地元作家による手に取りやすい価格帯の作品が並ぶらしくて、全部だいたい百五十ドル台から五千ドルくらいまでだったかな（ざっくり言うと数万円から数十万円）。売上の一部はBOPAプログラムに寄付される仕組みになっているとか。

それだけじゃなくて、「オアシス壁画プロジェクト」というものも今年初めて登場するっぽい。市長室発案だそうで、ジョーンズフォールズ高速道路（高架下？）の柱を生まれ変わらせようという話。それこそ数十名にも及ぶ地元の作家たち――例えばErnest ShawさんとかCamila Leão Lopesさん、HOPE McCorkleさんやPaige Orpinさんなど――が、この何週間かずっと作業していたらしい。その下道エリア全体が南国風な雰囲気に変わったんじゃないか、と耳にした。

こういう動きが今後どう影響するかはまだ分からないけど、とりあえず例年とは違う空気感になりそうな予感はある。

ミラー・ホールさんが、「アーティストたち、なんだかライブの壁画フェスに参加している気分みたいです」と話していた。会場全体に音楽が流れてて、そこにいる人たちも一緒になって楽しんでる雰囲気だったとか。駐車しに来た住民や通りすがりの方々も、ちょっと圧倒されて立ち止まって眺めていたらしい。市の職員なんかは「えっ、これ全部手で塗ってるの？本当にすごいな…」みたいな感じで驚いていたようだ。

今年のフェスティバル形式については、ミラー・ホールさん自身も少し誇らしげに語っていた。「今回のモデルは、アーティストだけじゃなくて市民にもちゃんと配慮できたような気がします。経済的にも街にとって良い影響を与えてるんじゃないかな」と。でも正直なところ、詳細な数字までは分からないけど、多くのアーティストがこのイベントで仕事を得られたり、報酬を受け取れる機会になったとか。壁画やインスタレーション、それからスカウトフェア（名前うろ覚えですが…）まで含めれば、本当に数多くのクリエイターが関われるそう。

開催場所については昔から議論が絶えなくて、「ステーションノースじゃないことに不満を持つ人もいる」という声もある。でも天候による影響で毎年損失を被る出店者や作家もいて、そのあたり改善したかったという意図もうかがえる。「完全には防げないけど、多少リスク減らせるよう工夫しました」と彼女は言っていたと思う。

新しく加わった企画を見るついでに訪れた人たちは、お馴染みのプログラムやライブステージ（ざっとふたつくらい？）でも楽しめそう。全国的には知られているR&B系シンガー——ファンタジア・バリーノさんやロビン・シックさん——も出演予定とのことだけど、それ以外にも地元バンドやパフォーマンス団体など色んな顔ぶれが土日両日登場する予定らしい（具体的なグループ名はいくつか挙げていました）。あとバレエ団体とか子供向けプログラム「キッズケープ」も毎年恒例として続くらしいですね。

マーケットやワークショップでは物販だけじゃなく体験型企画もちょこちょこあって、小さなお子さん連れでも飽きずに過ごせそうです。ただし規模感など細部については、その時々で変わる可能性がありますね。

再構成されたフェスティバルについては、色んな声があるみたい。たしか、ボルチモアでは今年のイベントが夏じゃなくて春に行われることを楽しみにしている人も結構いたとか。暑さに弱いお年寄りや小さい子供、それから体調を崩しやすい人には夏より過ごしやすいって話も耳にした気がする。でも、去年はかなり激しい雨で大変だったらしいし、今度は橋の下で開催される予定だから天候が崩れても少し安心かもしれない。

ミラー・ホールさんはアートスケープの新しい、小さめなエリアになったことで歩き回りやすくなるんじゃないかと考えているらしい。最近その高架下に足を運んだ時、「ウォーキング・ディスカバリー」っていう神経多様性や障害者支援をしているグループも、場所自体には前向きな意見を持っていたようだ。ただ、ダウンタウンへの移動によって芸術関係者だけじゃなくて他の界隈にも影響が及んでいる可能性も否定できないとか。

それと、新しい場所への変更時期と重なってジョーンズ・フォールズ高速道路（JFX）下のテント村が片付けられたという話題もあったけど、市役所の担当者はイベントとは関係ないと言っていたみたい。四月初旬頃、そのJFX下で暮らしていた人たちの居場所問題について「解決した」と市側の広報担当ジェシカ・ドーチさんが述べていたという話を誰かから聞いたような…。

JFXの下にあった野宿者たちについて、なんでも三十人前後がそのエリアにいたり通過したりしていたっていう話を耳にしたことがある。まあ、人数は日によりけりで、大体そんな感じだったみたい。四月の初め頃だったかな、市がこの場所を「解決」したとされてるけど、詳細なタイミングまでは覚えてない。

市長のホームレス対策部門から発表された話によれば、多くの人たちはアウトリーチチームから提供されたシェルターやサポートを受け入れたとか。ただ全部じゃなくて、中には自分で他の行き先を見つけた人もいるらしい。サポート内容もいろいろで、住まいへの案内とか移動手段、それから心身ケアなんかが含まれている、とどこかで見かけた記憶がある。

MOHSとしては誰かを強制的に追い出すようなことはしない方針だそうだ。むしろ、その人ごとの事情に合わせて支援につなげるという考え方らしい。この場所自体も、アートイベントの日程が公表されるだいぶ前から重点的に観察や訪問が増えていたみたいで、どう優先順位を決めているのか気になるところだけど…まあ色々な基準があるんだろう。

例えば重要な施設への近さとか、安全面・健康面で問題になりそうなこと、それと地域住民から寄せられる声なんかも判断材料になるって言われている。でも、その辺の線引きや実際どう評価するかは外部からだとなかなかわかりづらいところも多い気がする。全体としては、一連の対応には複数の要素や事情が絡んでいた可能性が高そう。

アートスケープの運営側でいろいろな変化があったみたいだけど、どうも全てがスムーズに進んだわけではないらしい。アーティストやマーケットの出店者の中にも、何人か不満を持っている人がいたとか。それで、JaySwannというバルティモア出身のエレクトロニック系DJについてなんだけど――彼は春先くらいだったかな、イベントスタッフからDJセット出演の打診を受けたそう。でも、その後しばらく連絡が途切れてしまって、自分から再度問い合わせしたら「出演決定」と言われた、と。ダンサーたちもその年は参加していて、その光景は写真で見かけた気がする。

で、契約書を送ると言われてからまた数週間くらい何も来なくて、不安になって再び連絡したところ……その時にはもう予算面の都合でキャンセルになったと伝えられたみたい。「正直ガッカリだった」と彼は話していて、小さい頃からこのイベントに通っていた経験もあり、家族にも自慢していたとか。出演料も結構良かったと聞こえてくる。

最初は怒りが混じった気持ちだったようだ。でも少し落ち着いてから、「じゃあ無償でもいいので出演できませんか」と再提案したそう。ただ、それすら無理だと言われてしまった――そんな経緯だったようだ。

パフォーマーとして、彼は最近アートスケープが街の中心部に移されるっていう決定について、まだあまり納得できていないようだった。以前何度か雨でイベントが流れたこともあったから、時期を少し早めるのはまぁ道理がある気もするけど、その新しい場所については…むしろ逆効果になるかもしれないと話していた。どうやらダウンタウンに会場を移すことで、他にも色々な催し物――例えば日曜ごとに開かれるバルチモアのファーマーズマーケットなんか――に影響が出てしまうらしい。今年はその市も一時的にお休みになるみたいだ。

それだけじゃなくて、新しくなったこのフェスティバル、ほぼ同じ時期に他にも目立つイベントが重なっているらしくて。デスメタル系のフェスとか、動物園で行われるビールのお祭り、それからソウェボのアート＆ミュージックフェスみたいなのもあるそうだ。JaySwannさんいわく、「正直言って賛成しかねるかな。他の人たちのお金稼ぎを減らしてまで一つのイベントを盛り上げても、それが本当にうまくいくとは限らないし」と言っていた。

「運営側は良くしようと頑張っている感じは伝わるんだけど、どうもうまくかみ合っていないようにも見える」と彼は続けた。「今となってはもう何ができるのかわからないよ」。そう言えば、最後にアートスケープへ足を運んだのも随分前で、その時にはちょっと期待外れという印象だった、と話していたっけ。全体的に計画性という点でやや不足していた気がしたとも。「正直、何となく手探りで色々試しているだけみたいな雰囲気だった」とも語っていて…。まぁ、そんな感じだったと思う。

ミラー・ホール氏が「アートスケープをジョーンズ・フォールズ高速道路付近へ移動する件については、年初に出店者へ案内した」とボルチモア・ビートで話していたらしいのだけど、どうもそれと違う印象を持つ人もいるみたい。四十年以上続いてきたこの市場は、ボルチモアの住民にとって、野菜や果物、それから肉や牛乳なんかも手に入る大事な場所だそうで――毎週じゃないけれど、結構な数の人が利用しているようだ。決定がどうやら農家さんや一般市民との話し合いなしで下された、とSNSには書かれていた。「私たちも他のみんなと同じく残念です」という投稿内容だったかな。

ステーションノース界隈の事業者にも影響は出てる。メトロギャラリーというお店を営むエリック・マッチさんの場合、アートスケープが地元から離れることを聞いて驚きと落胆が混ざった気持ちになったらしい。彼自身、生まれも育ちもこの町で、お店は芸術地区のほぼ真ん中にあって……これまで毎年のお祭りの日になると、スタッフみんなでいろいろ工夫してイベントを企画してたそうだ。それが今度からダウンタウンへ移るよ、と知らされた時には、「えっ？ 何で芸術地区じゃなくなるの？」みたいな戸惑いがあったとか。誰からも特別なお知らせや説明はなくて、本当に普通にニュースとして知っただけだったとも言っていた。

まあ細かい経緯とか全部正確には分からないけど、市場側や地域のお店、それぞれ色々思うところはあるんだろうね。

新しい会場の形に、なんとなくまだ慣れない人が多いみたいだけど、ミラー・ホールさんは大きな変化も悪くないと思っているらしい。今年のアートスケープについて考えると、何かしら結構な可能性が見えてくる、と彼女は話していた。たしか「同時に成立することだってある」とも言っていた気がする。ステーション・ノースは、アートスケープがなくても依然として活気のあるアート地区でいられるし、そこで芸術っぽい取り組みを行うこともできるんじゃないかなと。むしろ、アートスケープ自体が一つのエリアだけに限定されなくてもいいような感じ、と彼女は考えているようだ。どちらかというと、一つの場所専用イベントというよりも、色んなところで展開できる余地があるのかもしれない——そんな風に語っていた記憶がある。ただ、その意見にも異論はゼロじゃなさそうだし、実際どうなるかは何とも言えないけど。